「ボクたちの交換日記」を観てきました。
ストーリーは、
甲本孝志(小出恵介)と田中洋平(伊藤淳史)はお笑いコンビ「房総スイマーズ」を結成して12年目だが、いまだに売れる気配がない。コンビの将来について膝を突き合わせて話すことをしてこなかった二人だったが、彼らはもう30歳。お笑いに情熱を傾け続け、相方と一緒に成功したいと願いつつも後がない二人は、互いに本音を語り合うべく交換日記を始める。というお話です。

実は、あまり期待していなかったのですが、思ったより良かったです。話としては、やっぱりというような、良くある話なのですが、お笑い芸人の成り立ちというか、こうやって、淘汰されていって、今、TVに出ている芸人さん達がいるんだろうなって思うと、なんか、考え深いものがありました。
確かに、どの世界でも、成功する奴と、仕方なく諦めていく奴と、二つに分かれていくのは当たり前なんですよ。全てが成功してしまったら、成功ではなくなってしまうから。どんな世界にも、勝ち負けがあって、誰もが優勝出来る訳ではないんです。2番でも3番でも良いじゃないかって言う人もいるだろうけど、2番、3番じゃ意味が無い。そりゃ、努力をして、精一杯頑張れば、本人はスッキリして、諦めが付くと思いますけど、それって、諦めてるってことでしょ。世界から見れば、1番以外、意味が無いんです。
そんな事を改めて叩き付けてくれた、良い作品だと思いました。キレイ事だけじゃ生きて行けないということを描いていて、うう~ん、良かったなぁ。努力しても、才能が無ければ、やっぱりトップには到達出来ないし、友達の足を引っ張るのは、良くないですよね。
惨酷な話だけど、やっぱり才能が無いと気が付いたら、身を引くのが正しい選択だと思います。そして、周りの人間も、正しい選択を教えてあげる事が、その人にとっての為になるはずだし、その時は辛くても、将来、あの時に軌道修正して良かったと思える日が来ると思います。
諦める事は、敗北ではなく、新しい世界に踏み出すということで、きっと、その人には、他に才能があるんですよ。たまたま、自分が好きだったことに才能が無くて、自分がまさかと思うような事に、才能があるのかも知れない。一つの事を諦めたら、また新しい事に挑戦すれば良いんです。夢は、いつでも、いくつでも持てば良いんです。そうすれば、世界が広がって行きますよ。
この映画でも、コンビの一人は才能があり、一人は才能が無いんです。それは、見ていて明らかなんですね。だから、ある程度、途中で予想は付くんですけど、やっぱり、辛いんですよぉ。でもね、仕方の無いこと。誰も、助けてあげる事は出来ないし、自分で受け止めなければならないんですけど、やっぱり、見ていると辛かったなぁ。だって、自分だって諦めてきた事があるから、悔しい気持ちがすごく解かるんです。
人間は辛い事を越えて生きていかなければならないし、愛する人が出来れば、その人を幸せにしたいと思うし、いつまでも落ち込んでなんて居られない。心を切り替えて、友達を遠くから応援し、自分は、新しい幸せを見つけて歩いて行く。それが、人間のあるべき姿だと感動しました。そんな基本的な事なんだけど、でも、簡単には出来ないんだよなぁ。友達を恨んじゃったり、新しい道を踏み出せなかったり、人間って弱いから、難しいです。映画のように、感動的には出来ないかも知れないけど、でも、出来るだけ近づきたいよね。
私、この映画、お薦めしたいと思います。確かに、ありきたりの内容かも知れないけど、でも、改めて観てみると、本当に考えさせられます。解かっていても、踏み出せない事ってあるから、こういう映画を観て、ちょっと今の自分の立ち位置を考えて観ることも良いのではないかと思いますよ。伊藤君と小出君、やっぱり上手いです。何故か、この映画でも、佐藤二郎さんとムロツヨシさんが出ていて、笑っちゃいました。二人とも、大好きよぉ~!!
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・ボクたちの交換日記@ぴあ映画生活
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