「プラチナデータ」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
:政府が極秘に収集した国民の遺伝子情報“プラチナデータ”を基に犯罪捜査が行われ、検挙率は驚異の100パーセントで、冤罪(えんざい)は皆無となった近未来の日本。警察庁の科学捜査機関に所属する科学者の神楽龍平(二宮和也)は、DNA捜査システム関係者の連続殺人事件を担当することに。しかし、同システムは神楽自身を容疑者として示し、思考を繰り広げた結果彼は逃亡するが……。
というお話です。
原作とキャラクターは同じなのですが、精神科医が女性になっていたり、天才プログラマーが美人になっていたりして、実は、観る前から不安がありました。でね、申し訳ないけど、あまり納得の行く映画とは言えません。脚本が悪かったのかなぁ。試写会が終った時も、観客がシーンとしてしまっていて、”ハァ?”という感じが読み取れました。
確かに原作も、東野さんの作品にしては詰めが甘いなぁと思っていたのに、それに手を加えすぎてしまい、現実離れしてしまった感じでした。いくらなんでも、DNA捜査システムを造ったからって、そこまで上手く行く訳ないでしょ。天才が集まっているのに、どうしてそんなにアホなんですか?って言うほど、誰も犯人に気が付かないし、犯人側も、世界はあんたを中心に回っている訳じゃないんだよって言うほど自惚れている人間でした。普通だったら、この事件、直ぐに解決出来ると思いますよ。(笑)

このDNA捜査システムという考え方は、とっても有効だと思うし、容疑者の特定に役に立つと思います。まして、実際に運用されるようになったら、この映画のように、鑑識の目が節穴という事は無く、もっと細かい捜査をするはずなので、爪に皮膚が挟まっていたからというだけで、犯人と断定するのはおかしいんです。神楽は、無理やり犯人にされた感がバリバリでした。
とにかく、最初のシステム公表の辺りはとてもワクワクさせるのですが、直ぐに、どんどん無理無理感がいっぱいになってきて、廊下の監視カメラの偽装や、神楽の二重人格の説明、リュウがどうして手の絵ばかりを描くのかという謎、などなど、他にも、とても説明が荒くて、せっかくのキャストも勿体無いなという感じがありました。
神楽役の二ノ宮くん、カッコイイんですが、この神楽という役、原作では冷静な人間で、その反対にリュウという感覚で動くというような人格があるという設定なので、二ノ宮くんだと、顔が優しすぎるんですよ。彼だと、人間味が在り過ぎるんです。相手の刑事役は、豊川さんのイメージでピッタリかな。他は・・・。申し訳ないんですけど、この作品、キャストが、私のイメージと合わなかったんです。これほど素晴らしい役者が揃っているのに、本当に勿体無い・・・。
そうそう、結末が、原作とは違っていました。まぁ、このラストも在りなのかも知れませんが、ちょっと私には、納得が出来ませんでした。もちろん、原作を読んでいないとしても、この最後は、スッキリしません。きっと、一緒に試写を観ていた方達も、スッキリしなかったから、異様な静まり方だったのではないかと思います。映画として、やっぱり、最後は、目いっぱい盛り上げて盛り上げて、ドーンと終ろうよ。スッキリさせてくださいっ!!ラストは、原作の方が良かったかも・・・。
私は、この映画、カッコイイ二ノ宮くんと、ステキな豊川さんと観る為に行くなら良いけど、ストーリーを観に行くなら、あまりお薦めは出来ません。話がスッキリしないので、素晴らしい俳優さんたちを見てきてください。

ああー、あまりにガックリしてしまったので、感想にも力が入らないよぉ。期待していた分、力が抜けてしまったんでしょうね。とても残念です。
楽しんできてくださいね。
・プラチナデータ@ぴあ映画生活
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