「草原の椅子」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
バツイチサラリーマン遠間憲太郎(佐藤浩市)は、50歳を過ぎて取引先の社長・富樫(西村雅彦)や骨董店オーナーの篠原貴志子(吉瀬美智子)と出会い、互いに友情を深めていく。そんな折、彼らは母親から虐待を受けて心に傷を負ってしまった幼い少年と出会い、その将来を案じる。やがて偶然見た写真に心を動かされた彼らは、世界最後の桃源郷と呼ばれるパキスタンのフンザへと旅立つ。
というお話です。
原作が有名なのかしら。良い映画とは思うのですが、途中で眠くなってしまいました。大人の為の寓話というだけあって、確かに、大人になっても、気持ちの持ちようで、人生を変えることが出来るという、ステキなお話だと思います。でもね、長いんですよぉ~。
主人公の遠間は、自分の娘が連れてきたバイト先の先輩の子供の面倒を見なければいけなくなり、それまで、子供の世話などしたことがない彼は、少しづつ子供に近づきながら、子供との距離を狭めて行くんです。最近の父親は、イクメンとか言って、子供を育てるのがトレンドみたいになっていますが、ちょっと前までは、父親は外で稼いで、子供を育てるのは母親みたいな考え方だったでしょ。だから、遠間くらいの年齢の父親は、子供との絡み方が解からないんでしょうね。それが、良く表現されていました。
それにしても、自分の子供を虐待して、放置して、最後に捨てていく母親って、どんな人間なんでしょう。動物でさえ、自分の子供を守る為に必死で戦うのに、人間の母親が自分の子供を虐待してどうすんのよっ!小池さんが母親役を熱演してくださっていたのですが、本当にこういう母親いるんですよね。いつでも自分が中心で、自分以外は脳から除外してしまっている。信じられない人間だけど、いるんですよね、こういう人間。末路が予想できちゃうよなぁ・・・。

そんな母親に育てられていた子供は、言葉も出ず、まるで感情が無いように見えて、どうなるのかと思いましたが、遠間や遠間の娘、富樫などの人に触れ、段々と人間らしくなっていきます。子供の変化は、結構、感動出来るかな。大人の都合で振り回される子供の悲しさを、良く観てくださいね。
遠間には、色々な悩みがあり、思うように進まない人生に息詰っている状態の時に、その子供との出会いもあり、同じように悩んでいる富樫とも出会い、ちょっと恋心を抱いた陶器店の貴志子とも出会って、それぞれの悩みをなんとか浄化するために、パキスタンのフンザという場所へ旅行することにします。
桃源郷といわれるフンザは、良くNHKとかのスペシャルで、高知でラマとかが住んでそうなとこです。映画では、ヤギがたくさん映っていました。美しい場所ですが、それは、日本から行くから美しいと思うだけで、その場所に住んでいる人たちは、必死で生きているんですよね。なんか、観光で来た、お気楽な日本人という感じで、ちょっと違和感を感じました。まぁ、お金を持っている中年日本人グループなんだから、当たり前なんだけど、この映画のようにお気楽に行ったら、あっという間に犯罪に巻き込まれるだろうなと思った私でした。
年を取っても、もう一度、スタートに戻って、やり直すことが出来るのだという内容は、感動を誘うと思いますが、ちょっと長いし、話の流れも遅いので、ちょっと眠くなってしまうんですよ。
私は、年齢の高い方にはお薦めしますが、若い方には、共感をしてもらう事は難しいのかなと思いました。この流れだと、ちょっと、途中で疲れてしまうと思います。でも、定年前後の方には、結構、勇気をくれるのかも知れません。ぜひ、楽しんできて下さい。