先日、横浜のげシャーレという小劇場で、「シャウレイの十字架」という演劇を観てきました。
「横浜にぎわい座」という寄席をやっている劇場の中にあるのですが、我が家から近いのに、一度も行ったことがなくて、今回、チャンスがあって、行くことが出来ました。
この「シャウレイの十字架」という舞台は、富士山アネットという劇団(?)の公演で、男性5人が、セリフも無く演じていきます。劇団というより、ダンスユニットっぽいのかしら。ちょっと不思議な感じの舞台でした。
ストーリーは、
気付けば男達は、どこかの密室に居た。どうやって、そこに連れて来られたのか、なぜ、そこに居るのか、誰にも判らない。物が散乱した部屋のの中に、無造作に、物の様に散らばった男達。彼らは、それぞれに違う主義主張を持ち、団結など出来ようもなく、餓えと疲労、動かない身体、どうにも、先へ進まない。男達の頭上に瞬く十字架に、救いは来るのだろうか。
というお話です。
実は、私、自分であらすじを書いていても、良く解かっていません。(笑)私が解釈した感じでは、ひとつの部屋に閉じ込められている5人の男は、一つの部屋と言いながらも、その中で、世界で起きていることと同じ事が繰り広げられて、人間は、生きて、死んでゆく。強い者が勝ち、弱い者が従い、協力すれば外へ、新しい世界へ行けるかも知れないのに、自分の利益のみを優先し、先へ進む事は出来ない。いつまでも、狭い世界に閉じ込められたまま。今の世界と同じだということを、訴えていたのだと思います。
北朝鮮では核実験が行なわれ、中国と韓国は他国を自分の国と偽り、戦いをけしかけ、中東ではテロが終らないし、アフリカでは民族同士の内戦が終らない。どこまでも、人間の欲は絶えることが無く、戦いは終ることが無い。もし世界が協力することが出来れば、宇宙開発だって、出来るかも知れないのにね。本当に、人間って、なんて罪深いんでしょう。
そんな事を、訴えている舞台なのではないかと思いました。セリフも無いし、説明も無いので、彼らの動きと、表情だけで読み取るのですが、最初は、いったい、何をやっているんだろうって思いました。でも、観ているうちに、仲良くしたり、分かれたり、何をやっているのかが、理解出来て来たんです。いやぁ、深いですねぇ。
横浜での舞台は、もう終ってしまい、京都での舞台があるようです。もし、興味があったら、観てみてくださいね。
藤山アネット 「シャウレイの十字架」 http://fannette.net/