「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」3D を観てきました。
ストーリーは、
1976年、インドで動物園を経営するパイ(スラージ・シャルマ)の一家はカナダへ移住するため太平洋上を航行中に、嵐に襲われ船が難破してしまう。家族の中で唯一生き残ったパイが命からがら乗り込んだ小さな救命ボートには、シマウマ、ハイエナ、オランウータン、ベンガルトラが乗っていた。ほどなくシマウマたちが死んでいき、ボートにはパイとベンガルトラだけが残る。残り少ない非常食、肉親を失った絶望的な状況に加え、空腹のトラがパイの命を狙っていて……。
というお話です。
一応、3Dで観たのですが、これ、3Dでやる意味があったのかな?2Dで充分でしょ。すごい壮大だし、映像も美しいから、わざわざ、あんな3Dメガネをかけて、無駄な飛び出しや空間を感じる必要が無いような気がしました。アバターのように、大空を飛ぶとか、高い場所から落ちるとかだと、その3Dの凄さが出るんだけど、海の上で、ましてボートの上のみの行動範囲で、意味が無いのよねぇ。クジラが飛び出したり、トビウオが飛び込んでくる場面は飛び出してたけど、でも、それって、自然のドキュメンタリーを観た方が素晴らしいでしょ。CGで、本物に対抗しようとしても、ちょっと違和感が出てしまって、アニメだな~みたいに見えてしまうんですよね。

ストーリーは、すごい壮大だし、主人公のパイが、必死で生きようとする姿は、ぼんやり生きている私たちに、命の素晴らしさや、大切さを教えてくれていると思いました。人間って、最後の最後まで、もがいてもがいて、その命を長らえようとするんですよね。普段、命の事など考えていなくても、大変な状況にぶち当たると、知恵を使い、身体を使い、全ての感覚を尖らせて、その命を守ろうとするということが解かりました。
必死で生きるのは、人間だけじゃなくて、トラもでしたね。トラの名前は”リチャード・パーカー”。ポーの小説に出てくる漂流者の名前で、ある恐ろしい事件の被害者の名前でもあります。この名前をトラに付けたのは、後から出てくるもう一つの話を暗示しているのだなって思いました。
パイは、色々な宗教を勉強し、神というものを考えます。ヒンドゥー教、イスラム教、キリスト教、すべてを勉強し、信じている。いや、信じているというよりも、感じていると言ったほうが良いのかな。3つの宗教を信じていたら、矛盾が出てきちゃうもんね。だから、この宗教観は、日本人的と思って良いかなと思いました。神社にお参りした後、お寺に行ったりってあるでしょ。そんな感じかな。
この宗教=神を知ることによって、このトラとの辛い漂流も、諦めずに続けられたのかもしれないと思いました。自然にもてあそばれて、自分の力ではどうにもならない状況なら、神を信じるしか無いですよね。自分の運命は、すべて神に導かれているのだと思えば、希望も湧いてくるかもしれません。神は、決して、人間を見捨てないという事ですもんね。ま、現実は違うけど。(笑)
あらすじを話すと、漂流して助けられる話っていう単純な話なんだけど、この映画を観ると、海で遭難なんてしたら、本当に大変だなぁって恐くなってしまいました。海は、とっても美しいしけど、でも、恐ろしい面もあるのだと思いました。気をつけなくちゃと言っても、遭難なんて、どうしようもないか・・・。
私は、この映画、お薦めしたい映画だと思います。3Dで観る必要は、あまり無いように感じたけど、でも、ぜひぜひ、観るべき映画だと思いました。命の大切さと、自然の素晴らしさを痛感させられると思いますよ。ぜひ、楽しんできてくださいね。
・ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日@ぴあ映画生活
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