「東京家族」を、また鑑賞してきました。
大画面で観ると、試写室で観た時の感動と違いますね。どうしてかは解からないけど、なんとなく、自分も映像の中に入って、一緒に色々な事を感じているような感覚なのかしら。不思議と、イヤに感動してしまう自分が居て、知っている内容なのになんでだろうなんて思いながら、帰って来ました。
映画の中では、疎遠にしている両親との久しぶりの再会と、いきなりの別れが描かれていて、結構、当たり前のことなのだと思うけど、それが、身近に感じて、自分に重ね合わせてしまうんですよね。と言いながらも、私は、実家がとても近いので、疎遠という言葉とは程遠い生活をしているのですけど。(笑)

親にとって、子供って、自分の思い通りにならないと、やっぱり、不満なのかしら。産まれて来た時には、五体満足なら、それで充分って思っていても、欲が出てくるのかな。私の親なんて、私に全然期待してなかったような気がするんだけど・・・。(笑) 子供も一人の人間だし、それぞれの人格が形成されるのだから、親の思い通りなどになるわけ無いのに。特に、親の良い部分も嫌な部分もずーっと見ている訳だから、親が望むように育つ子供が居たら、その方が危ないよね。どこか壊れているかもしれない。”とっても良い子”だった場合は、気にした方が良いです。
お父さんが、お友達と飲み屋で飲んでいて、「日本は、どこで間違ってしまったのか。なんとかせにゃ。」っていうセリフがあって、確かに、今の日本の状況は、なんか、おかしいよなぁって思います。経済の問題とかではなくて、日本人のあり方というか、気持ちが変わってしまったような気がするんです。道路で人が倒れたら、日本では助けるのが当たり前だったと思うんだけど、最近は、見ない振りをする人が多かったり、事件が起きると、写メで撮るという惨酷な事を平気でする、そんな心の渇いた人種では無かったと思うんですけどね。やっぱり、違う人種がたくさん入り込んでくると、日本の美徳が汚されて、壊れていってしまうのかも。

東京家族の根底には、日本の美しい時代の流れがあって、それを壊されてしまった日本人の悲しさが込められているのかなって、ちょっと思いました。
この映画、ある程度の時間を置いて、何度でも観たいと思うような映画だと思います。観る度に、新しい発見があり、心が、やさしくなれるような気がします。ぜひ、大画面で、一度はご覧になる事をお薦めいたします。
楽しんでくださいね。