「ストロベリーナイト」 原作と同じ流れだけど、なんとなく暗く狭い方向に向いている気がします。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ストロベリーナイト」を観てきました。


ストーリーは、

警視庁捜査一課の刑事として活躍する玲子(竹内結子)が率いる姫川班は、管轄内で起きた4人の殺人事件を担当することになる。警察が合同特別捜査本部を設けて捜査に臨む中、犯人を名指しした匿名情報が寄せられるが、上層部からはすべてを黙殺しろとの命令が下る。玲子は単独で捜査を続け、その過程でマキタ(大沢たかお)と出会う。
というお話です。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-ストロベリー

原作小説、ドラマと観てきて、この映画が、一応の到着地点という感じかしら。とても楽しみに観に行ってきました。確かに、原作に添った話で、僅かな変更はあったけれど、ほとんどそのままを映像化して下さっていて、楽しめたのですが、ちょっと、キャラクターたちの個性が、原作のイメージとは変わっていました。

姫川なのですが、映画だと、ウザいほど意地になって上司に反発する感じが、原作とちょっと違うような気がしました。原作の姫川は、もちろん、正義を貫くのが正しいと思いながらも、ある程度のしなやかさを持っていて、柔軟に対応が出来る女性です。意地だけで突っ走るのではなく、一応、周りの反応を見ながら行動をする知恵を持っているように感じられるのですが、どーも、映画の姫川の態度は、同姓から見ると、ただのワガママ女に見えてしまうんです。確かに、過去の暗い面を持ち合わせているのも解かりますが、ここまでやってしまうと、大人の女性では無いですよね。まだ女子高生なの?って感じになってしまうんです。

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普通、企業でも公的機関でも、上司からの命令は絶対です。命令が聞けないなら退職しろと言われます。当たり前ですよね。どうしても個人で動きたいのなら、休暇を取って調べるべきです。税金から給料が出ているんだから、個人で動くなら公金横領でしょ。警察という公務員ならば、そこまで考えるべきなんだけどね。フィクションだから許すけど、本当の警察の方は、こんなメチャな事はしない事を願います。(笑)


マキタは、イメージどおりで、カッコよくて、最初は、胡散臭い不動産屋で、極道の人って事が、後からわかります。もー、こんなイケメンの不動産屋、絶対、胡散臭いっ!!(笑) 誰が見ても、不動産屋の着ぐるみのヤクザさんですよ。実際、イケメンの不動産屋さんって、こういう事、多いですもん。挨拶に行くと、いきなり関西弁で、お付きの部下さんが両脇に居たりして、ちょっと引いてしまう私でした。(笑)でも、良い人多いですよ。


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そんな人々以外にも、個性的なキャラクターが満載で、面白いですよ。私は、染谷くんが演じている柳井健斗が好きなんですけど、ヤクザ側も、警察側も、本当に色が濃くて、笑っちゃうほどですね。田中さん演じる警察のキャリアや、三浦さん演じる捜査一課長、ヤクザの次期組長の鶴見さん、などなど、誰も彼も、いいなぁ。この映画は、脇を固める方々が、グッと押さえている分、主要キャラクターが好き勝手に出来るのかも知れません。


ここで考えたいのが、警察の隠蔽なんです。確かに、隠蔽は悪い事だと思うけど、人生って、知らなければ知らない方が良いこともありますよね。警察だって、言わなくても良い事はあると思うんです。今回のアルジェリアのテロ事件についても、名前の公表は控えたでしょ。生還出来た方には、今後の生活もあるし、本当は犠牲になった方だって、名前も公表したくなかったんじゃないかな。だって、家族は、これからも生きていかなきゃいけないんだもん。


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ま、これは隠蔽とは違うかも知れないけど、でも、言わなくても良い事って、あると思うし、誰もが自分の身を守るのは当たり前。隠蔽して、誰かに影響が出る時はイケないけど、誰も不幸にならないのなら、言わない方が幸せだという人が居ると言うなら、隠蔽も必要なんじゃないかな。全てをさらすのが良いというのは、正義を振りかざす人間のエゴだと思いました。全てを知ることが良いとは思えないな。


姫川の恋愛についてですが、自分と同じ暗い面を感じられるマキタに惹かれるのは、解かる気がしました。女性で、特に役職などに着いている人はナルシストが多くて、自分に似ていて、自分を解かってくれそうな人に惹かれるんですよね。姫川にとって菊田は、誠実で明るくて、眩しすぎるのだと思います。彼を見ていると辛くなるのだと思う。


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彼女にとって、男はライバルであり、敵であり、自分の罪の共犯者なんだと思います。彼女は、過去の事件で被害者なんだけど、彼女自身にとってはそれが自分の罪になってしまっているんじゃないかと思うんです。心の傷=自分の罪に変換されて、自分が犯人を殺したいと思う事に共感してくれる男を捜してしまうのだと感じました。私も、私の共犯者になってくれるだろう男を捜したもん。私の罪を、一緒に背負ってくれるだろう人。私が人を殺したとしても、怒らずに抱きしめてくれる人。仕方ないと言ってくれる人。そういうもんです。女なんて・・・。

この映画で、警察ドラマと、女のドロドロした心の中を、両方楽しむ事が出来ました。原作が面白いので、ストーリーは、本当に楽しめると思います。ただ、私には、観る前に、原作のベースがあったから、柳井の事件の細部なども解かっていて、楽しめたのですが、読んでいなくても大丈夫なのか、判断が出来ません。ごめんなさい。読んでいなくても、大丈夫だと思いたいっ!(笑)解かったよね。(笑)

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-ストロベリー

私は、この映画、お薦めしたいと思います。でも、女性から見ると、姫川の意固地な態度は、ウザいと思うかなって思います。女だからって、そんなに男に突っかからなくてもいいんじゃないのかなぁ。もっと男は利用しようよ。(笑)頭脳だけ使って、足は男に使わせればいいじゃん。女は女、男は男、の特性を上手く使って、仕事を共有するのが、これからの社会を上手く動かしていくコツだと思います。

とにかく、映画は面白いので、ぜひ、観に行ってくださいね。カメ



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