今日は、「ふがいない僕は空を見た」を観てきました。
ストーリーは、
高校生の卓巳（永山絢斗）は友人と出掛けたアニメの同人誌販売イベントで、アニメ好きのあんずこと主婦の里美（田畑智子）と出会う。やがて二人は深い仲になり、里美は卓巳に自分の好きなアニメのキャラクターのコスプレをさせ、情事にふけっていた。そんなある日、卓巳は前から気になっていた同級生の七菜（田中美晴）に告白され……。
というお話です。
卓巳という高校生の生活を追っていくのかと思ったら、卓巳と、彼が付き合っている人妻と、卓巳の母親、卓巳の親友、の４人の生活を順に追っていきます。誰もが、しあわせを求めているけど手に入らず、人のせいにして誤魔化したりして、何となく生活しているんだけど、段々とギアが外れていってしまうんですよね。手に入らないものを、他のもので埋めようとしても、絶対に埋まらないのに・・・。
卓巳は、コミケみたいので知り合った人妻あんずと、何故か、コスプレをして、情事を楽しむようになります。高校生の青年には、そりゃ、タダでやらせてくれる（たまにお小遣いをくれる。）女が居たら、そんな”ごっつぁんです”状態は無いですよね。だって、高校生って言ったら、やりたくて仕方ない時だもん。そして、どうして彼女が夫も居るのにそんな事をするのかって事には、まったく興味が無くて、ただ、欲望を満たす為だけなのよね。後で、恐ろしい事になるとは知らずに・・・。アホだけど、高校生って、頭より下半身だから、仕方ないよね。（笑）
そんな卓巳と付き合っている”あんず”。実は、夫との間に子供が出来ず、姑から責められ、夫には庇ってもらえず、とても孤独なんです。その孤独とストレスを紛らわす為に、アニメおたくとなり、卓巳との情事にふけるんです。でも、それは、逃げているだけで、まったく解決になっていないんですよ。早く、夫や姑と対決してしまえば、誰も傷つける事が無かったのに、大変な事になってしまいます。出来れば、人を深く傷つけてしまう前に、解決しましょうね。
卓巳の母親は、助産婦さんで、助産院を経営しています。自然分娩が売りの、今流行の産み方なんじゃないのかな？でもね、色々な問題があるということが、彼女と助手のやり取りで解かります。出産は、そんなに簡単な事ではないし、でも、病気ではないし、誰もが自分が一番素晴らしい子供を産むと思っているんだろうけど、命の重さは、みんな一緒なんです。そんな事を、助産院での出来事で考えさせられます。助手の女性が、とっても面白いんですよ。ぜひ、注目です。
最後に、卓巳の親友”福田”くん。福田は、家庭が複雑で、とても貧しくて、バイトをしながら、祖母の面倒を見ています。どんなにもがいても、団地と呼ばれる貧困な人が集まっている場所から出られず、苦しんでいます。人から施しを受けるのを嫌い、なんとか自分一人で解決しようと思うのですが、一人では空回りしてばかり。卑屈になって嫌がらせをしたりして、そんな自分がイヤになったり、どうしようもないのですが、バイト先のコンビニで出会った男性に、団地から抜け出す手段を教えられ、希望を持ち始めます。何事も、希望が大切。彼の心の変化が、とても良く描かれています。
この４人の生き方が、それぞれの立場と年代を踏まえて、面白く描かれていて、とっても楽しめました。私は、福田の話が、結構、好きかな。彼の成長していく姿が、ステキです。でも、この映画の中心は、卓巳とあんずさん。あんずさんの話は、結構、グッと来ますが、細かく書くとネタバレになるので、書きません。面白いですよ。
この映画、とても良く出来ていると思いました。私は、とってもお薦めしたい映画です。原作も読んでみたいと思いました。これは、面白いだろうなぁ。もう、ほとんど公開は終っているので、ＤＶＤが出たら、ぜひ、観てみてください。お薦めですよ。ぜひぜひ、楽しんでみてください。あ、そうそう、Ｒ１８指定なので、気をつけてくださいね。それくらい、情事のシーンが、激しいです。
・ふがいない僕は空を見た＠ぴあ映画生活
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