今日は、「世界にひとつのプレイブック」の試写会に行ってきました。ブラッドリー・クーパーさんが来日するとのことで、若い女性ファンがたくさん居て、ちょっとビックリ。私は、仕事を抜けられず、5時過ぎに指定券に替えたのですが、1人だったので、たまたま、通路に近くて、本当に、思いがけずにサインを頂く事が出来ました。昼に頑張って仕事をしておいて良かったぁ~。ご褒美かも。(笑)
ストーリーは、
妻が浮気したことで心のバランスを保てなくなり、仕事も家庭も全て失ってしまったパット(ブラッドリー・クーパー)は、近くに住んでいるティファニー(ジェニファー・ローレンス)と出会う。その型破りな行動と発言に戸惑うパットだったが、彼女も事故によって夫を亡くしており、その傷を癒やせないでいた。人生の希望を取り戻すためダンスコンテストに出ることを決めたティファニーは、半ば強制的にパットをパートナーに指名する。
というお話です。
私、この映画、とっても感動でした。現代に生きていると、自分の周りでも、この映画のような事って、たくさん起こっていると思うんです。私も、この主人公と同じような感じになったこともあるし、誰もが、このパットになる可能性がある。だからこそ、彼がどうやって自分を取り戻していくのかというのが、心にグッと刺さってくるんです。
このパットは、自分の妻が自宅で同僚と浮気をしている現場を見てしまうんです。私、この妻、最悪な女だなって思うんだけど、自宅で浮気するほどなら、夫に見つかって訴えられるくらい、覚悟しておくべきだと思うんだけど、彼が半狂乱になって浮気相手を殴ったことを逆手に取り、接近禁止令を申し立てたんです。で、離婚してないんですよ。普通なら、夫に訴えられて、浮気相手と妻が慰謝料を払うべきところなのにね。
パットは、浮気された酷い女なのに、まだ愛していて、妻に会いたいと思っているんです。でも、これって、愛しているというより、自分の妻というものへの執着だと思うんですよね。それが、精神疾患で、自分で解からなくなっているんだと思うんです。そんな彼を、夫を事故で亡くして、やはり精神的に不安定になり、セラビーを受けている、近所の女性ティファニーが、ダンスコンテストに出ようと誘います。
人間の心って、ちょっとした事で、壊れてしまうんですよね。相手は、別に、普通の事だろって思っているんだろうけど、その人にとっては、すっごく辛いことで、絶えられない事なんです。先日の大阪の高校体育科の少年の自殺だけど、彼にとっては、身体への暴力より心の傷の方が酷くて、自殺してしまったんでしょ。これ手を下して無くても殺人ですよね。この映画の妻の行動も、暴力ではないけど、パットへの精神的な暴力です。そして、パットは壊れてしまった・・・。
でもね、彼には、ステキな両親と兄、そして、チャーミングなご近所さんが居たので、段々と、未来が見れるようになっていくんです。もちろん、簡単な事ではありません。良くなったり悪くなったり、ガマン出来たり出来なかったり、色々な事が繰り返しあって、そして、段々と、自分が見えてくる。いつも、自分の内部に向かっていた意識が、段々と、外へ外へと向いていく。そんな彼の姿が描かれていて、本当に感動してしまいました。
ご近所のティファニーは、やっぱり、ちょっとタガが外れちゃっている女性なんだけど、彼女は、自分がダメだということが判っていて、なんとか、外へ外へと向いていかなくちゃって思って頑張っているんです。そこへ、自分と同じように、もがいているパットを見つけて、一緒なら、もしかして前を向けるのかも知れないという希望を持ち始めます。
そんな二人が出会って、ダンスを始めるっていうのが面白いでしょ。最初は、全然、下手なんだけどね。どうなるのかは、観てのお楽しみです。なんたって、素人が始めるんだから、どれだけ大変か解かるでしょ。(笑)。でも、ステキですよ。
もし、心が壊れてしまって、自分に閉じこもってしまったとしても、一人じゃなければ、きっと、また、外に出て来れます。いつも書くけど、急ぐ必要は無くて、ゆっくりゆっくり、少しづつ、外を向いていけばいい。自分を信じてくれる人が周りに居れば、待っていてくれます。私も、離婚した時とか、ボロボロでダメだったもん。でも、両親も待っていてくれたし、友達が、ある日、突然、ディズニーランドに連れ出したりしてくれて、少しづつ恐くなくなったの。その友達は、親友でも何でも無かったんだけど、突然、連れ出してくれた・・・。そんなちょっとした優しさが、少しづつ、心を癒してくれるんですよね。だから、心が壊れてしまった友達が居たら、意味が無いかもと思っても、少しづつでも助けてあげたいって思います。
この映画も、そんな感じの、すごく優しい、温かい映画です。誰もが、ひとりじゃ立ち直れない。周りのたくさんの人の優しさと力が必要なんです。そんな事を教えてくれる、しあわせな映画です。
私は、すっごくお薦めしたい映画です。ひとりでも、友達とでも、恋人とでも、親とでも、誰と観ても楽しめて、感動してしまう映画だと思いますよ。ぜひ、観て、楽しんでください。寒い冬も、暖かく感じるかも。
・世界にひとつのプレイブック@ぴあ映画生活
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