今日は、「ヴァージニア」を観てきました。
ストーリーは、
オカルト作家のボルティモアはサイン会で訪れた小さな町で、少女の死体が発見された事を知る。ボルティモアはミステリー好きの保安官から、この事件を元にした小説を共著しないかと持ちかけられるが、気乗りしない。しかしその夜、ボルティモアの夢の中に少女Vと作家のエドガー・アラン・ポーが現れ、かつてこの町で子供たちが犠牲になった事件へと彼を導く。現在と過去の事件を解いていくうち、彼は自分の過去と向き合うようになる。
というお話です。
フランシス・コッポラ監督の新作で、ゴシックミステリーです。私、コッポラ監督の作品って、ほとんど観た事が無くて、こういう単館でやるような作品って、どんなのかなって思ったら、とっても美しくて、官能的で、恐ろしい作品でした。この監督の作品って、映像が美しいんですね。観ていると、本当に異次元の不思議な世界に迷い込んでしまったような感じでした。
作家のボルティモアは、ミステリー作家志望の保安官に一緒に小説を書こうと言い寄られるのですが、この保安官、何故か、オープニングで、大工仕事が趣味の保安官などなど、村の説明と一緒に解説されて、何で保安官の説明があるのかな?この保安官、もしかして重要人物?って思わせるんです。で、もちろん、重要な人物なんですけどね。(笑)
保安官に言い寄られ、死体置き場の死体を見せられてから、段々と、その村の不思議な出来事に巻き込まれ、現実と空想の世界が入り混じり、村に起きたという昔の大量殺人事件と先日起きた殺人事件までもが繋がって、どんどん不思議で恐ろしい世界に迷い込んで行きます。
ボルティモアに助けを求めにくる少女Vは、自分をヴァンパイアだと語り、助けて欲しいと訴えているのですが、彼女が誰なのか、どこから助けて欲しいのか、何故ボルティモアの前に現れたのか、全く判りません。でも、それが、何故か、空想の世界に現れるエドガー・アラン・ポーに導かれ、昔の事件も、現代の事件も、そして、彼自身の心の中に残っている見たくない過去を探っていくにつれ、解ってきます。
”V”を演じいるエル・ファニングさん、こういう魔物のような女性を演じると、とても美しくて良いですね。本当に、ヴァンパイアなのかもとか、天使なのかもとか、思えてしまうもん。ナンだろう、人間離れしている感じがあるんですよね。それが、とっても不思議で、こういう映画に似合うんです。
この映画は、話が入り組んでいて、自分で組み立てて、”あ、そうか。”と気がつかせる映画なので、あまり解説してしまうと、こんがらがってしまうと思うので、あまり書くのを辞めますね。観る人によって、感動する場面や、部分が違うと思うから、変な先入観を持たないようにして観て欲しい。
私は、この映画、とってもお薦めしたい映画です。でも、好き嫌いがとてもあるかもって思いました。私は、好きなタイプの映画なんです。現実と空想の世界を混ぜて、現実は村の外にあり、村の中にいる時は、ポーが居るような混ざった世界で描いていて、色の使い方も全然違うんです。不思議で美しい映画ですよ。私は、好きです。部屋を暗くして、ひとりで観たいタイプの映画です。
もう、あまり公開していないと思うので、DVDが出たら、ぜひ、お部屋で楽しんでみてください。不思議で美しい世界が広がりますよ。ぜひ、楽しんでくださいね。
P.S : 横浜にある「ジャック&ベティ」っていう映画館で観たのですが、この映画館のラインナップは、本当にとても良いんです。この映画館で観る作品は、ほとんどパンフレットが欲しくなってしまう。小さな映画館なのですが、シネコンなどでは観れない良い作品が集まります。こういう映画館が、どの都市にもあると良いのにね。
・Virginia/ヴァージニア@ぴあ映画生活
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