今日は、「つやのよる」の試写会に行ってきました。トークショーもあり、楽しんできました。
ストーリーは、
春二(阿部寛)は艶という女性と駆け落ちまでして大島へとたどり着くが、気ままな妻の不貞に翻弄(ほんろう)されてきた。そんなある日、艶の病気が発覚し、さらには昏睡(こんすい)状態に陥ってしまい、これまで無心に彼女を愛し続けてきた彼は激しく動揺する。ついに春二は最愛の妻と深い仲だった男性たちに、艶が瀕死(ひんし)の状態にあることを知らせようと思い立つが……。
というお話です。
オムニバスタイプの作り方で、すべての話が、艶という女性から繋がっているんです。この艶という女性、本当に酷い女で、悪女と言ってしまえば簡単なのですが、ちょっと、脳に障害があるんじゃないかなって思ってしまうほど、基地外っぽいんです。とにかく、新しい男が欲しくて欲しくてしょうがないみたいな感じかな。ひとりの人との愛が、まったく続かないんです。手に入ったと確信出来たら、飽きてしまうのだと思う。次の獲物が欲しくなってしまう。その狩っていくという行為が、彼女には、必要なものなのだと思います。
そんな酷い女に振り回された男や、その男の家族は、本当に迷惑ですよね。観ていて、トンデモね~って叫びたくなりましたよ。でも、こういう女、実際に居ますよね。下半身がゆるい女と言うか、頭が弱いのかなって感じの女。何故か、美しい女性じゃなくて、え?っていうような容姿の方ばかりで、どうしてこんな女に引っ掛かるのかしら、奥さんの方がよっぽど美しいじゃんって感じなのよね。やっぱり、美しい女性だと、男の方も疲れるのかしら。(笑)
まず、最初に小泉さん演じる小説家の妻の話。彼女の夫は、艶の従兄弟で、彼女が12歳の時に無理やり強姦したという男であり、艶の最初の男。この小説家、今も女にだらしなく、妻は苦労のしっぱなし。そんな男を支える妻の姿を、静かに描いていて、いつか、その愛は殺意に変わるのではないかと思わせるような表情に、恐さを感じた私でした。
次に、艶が結婚していた元夫と、今、関係を持っている女性(野波さん)の話。若い彼女は、やっぱり下半身がゆるい感じで、会社の上司との不倫など、セッ○スをただの行為くらいにしか思っていなくて、それで男を繋ぎとめようなどと思っていないの。気持ち良ければそれでイイって感じかな。彼女の奔放な態度は、艶という女性と重なる部分が多く、艶ほど極悪ではないけど、いつの日か、年を取ったらそうなるかも知れない。彼女に本当の愛は生まれることがあるのか。それは、また、未来のこと。

次に、艶が病気になる前に不倫していた男の妻の話。風吹ジュンさんが演じています。彼女の知らなかった夫の部分を、阿部ちゃん演じる艶の今の夫に伝えられ、ショックに打ちのめされるという話です。普通の主婦として、夫と子供に尽くし、しあわせに暮らしていたと思っていたのに、自分の思いとは全然違った夫の姿を知ります。これは、かわいそうでした。でも、それで吹っ切る事が出来たかも知れません。
次に、艶が住んでいる大島で、艶がストーカーをしていた青年と付き合っている女の話。艶に付きまとわれて、迷惑がっていた青年は、イケメンで女にだらしなく、彼女が居ながらも、他の女と平気で付き合うような男。そんな脳味噌がからっぽの男を好きになってしまった女の姿を描いています。
最後に、艶と駆け落ちしてしまった男の元妻と娘の話です。元妻は、今も夫を思っていて、娘は、そんな母親の姿を理解出来ません。なぜ、自分を捨てた男を思うのか、そこに何があるのか、それを、娘が段々と理解していく姿が描かれています。

この5つの話を通して、艶という女の姿と、女の愛、男の愛、様々な愛の姿を描いていて、すごく深い内容でした。私、観た後、まだ、頭の中がまとまっていません。どの女の中にも、愛があって、どの男の中にも愛があって、それぞれが違うんです。
何となく感じたのは、童話の「青い鳥」。艶は、求めても求めても、愛は手に入らなくて、どこまでも探し続けていくんだけど、本当は、後ろに自分を愛してくれる男がいる。でも、気が付かないんです。バカな女ですね。一方、愛というものを貪欲に求める女たちは、とてもシビアで、最後には、冷静に自分の立ち位置を把握して、納得していきます。同じように愛を欲している女たちなのですが、最後まで先へ先へと求めるだけの女と、最後で納得して、愛を見つめる女の違いが感じられました。
男の立場から観たら、どうなのか解りませんが、私は、艶のような女を許せないタイプなので、もし、自分の夫が艶のような女性と関わりを持ったら、すぐに別れると思います。気持ち悪く思えて、生理的にダメになっちゃうと思うんですよね。男から観たら、都合よくやらせてくれる女は、良い女なのかなぁ。
なんか、感想がバラバラしていてゴメンナサイ。まだ、私の中で、考えがまとまってないんです。色々な人物の立場に立って考えてみるのですが、どうしても艶の立場を想像出来ないんです。彼女のように貪欲な人間の考えに同調出来ず、どうしても彼女を下品な女としか捕らえられないんです。もう少し、思い出して考えて見ますね。

私は、この映画、すごくお薦めしたいです。男と女という、2種類しか居ない世界で、どこまで行っても解り合えない愛のかたち。とっても、官能的で、感情的で、誰もが、その愛を手に入れるために惨酷になるという姿を、赤裸々に見せてくれます。衝撃的でした。面白いです。但し、アクション映画とか、頭を使わない映画が好きな方には、ちょっとお薦め出来ないかな。
ゲッソリ痩せた、阿部ちゃんの姿を堪能してきてください。ぜひ、楽しんできてくださいね。
・つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語@ぴあ映画生活
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