「東京家族」 山田監督50周年記念作品。まるで日常の自分達の生活を垣間見るような内容に感動。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

先日、ぴあさんの懇親会付き特別試写会が当たり、参加してまいりました。「東京家族」の試写の後、プロデューサーさんと山田監督と共同脚本された平松さんと、娯楽映画研究家の佐藤さんを迎えてのティーチインと懇親会がありました。

すっごく楽しくて、色々なお話が聞けました。脚本の平松さんは、3月に公開される「ひまわりと子犬の7日間」の監督さんでもあります。


ストーリーは、

瀬戸内海の小さな島で生活している夫婦、平山周吉(橋爪功)ととみこ(吉行和子)。東京にやって来た彼らは、個人病院を開く長男・幸一(西村雅彦)、美容院を営む長女・滋子(中嶋朋子)、舞台美術の仕事に携わる次男・昌次(妻夫木聡)との再会を果たす。しかし、仕事を抱えて忙しい日々を送る彼らは両親の面倒を見られず、二人をホテルに宿泊させようとする。そんな状況に寂しさを覚えた周吉は、やめていた酒を飲んで騒動を起こしてしまう。一方のとみこは、何かと心配していた昌次の住まいを訪ね、そこで恋人の間宮紀子(蒼井優)を紹介される。
というお話です。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-東京家族

小津安二郎監督の「東京物語」をモチーフにして、現代に置き換え、山田監督が描いた物語です。私は、小津監督の作品を観ていないので、まっさらな感じで、観ることになりました。でも、私にとっては、良かったかも。すごい感動をしてしまいました。涙がボロボロで、別に、すごい展開があるわけではないんですけど、普通の家族に起こる些細な事を丁寧に描いていて、家族の大切さと愛の深さがじーんと伝わってきて、すっごく家族に会いたくなりました。


私は、ずーっと横浜に住んでいるので、親から離れた事が無いんです。結婚しても横浜だし、主人の実家も横浜で、この土地から離れた事がありません。だから家族に会いたいと思えば、いつでも会えるので、親が居てくれるありがたみを、そんなに感じることが無いんです。でも、この映画を観たら、ああ、居てくれて良かったって、いつまでも居て欲しいって思いました。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-東京家族

長男は医者になり東京で開業、長女は美容院を夫と経営し東京で暮らし、次男は舞台美術の仕事をしながら、細々と東京で暮らしています。両親は瀬戸内海の離島で生活していて、東京へ子供たちに会いにやってくるのですが、離島での生活とは違い、東京で暮らしている子供たちは時間に追われ、その生活の中に、心がありません。


考えてみれば、私も、バタバタと生活していて、じっくり考えて行動するような事がほとんど無くて、なんだか、心に潤いがある生活をしていないなぁと、気がつきました。生活の手段は便利になり豊かになったのかと思いきや、いつも小走りしているようで、誰もが人のことなどお構いなし。欲望はどんどん広がり、人より先に目的に行き着くために動いているような毎日。でも、その目的ってナンなのかな?ちょっと立ち止まってみると、なんで急いでいたのか解らなくなる。競って1番になる必要のある事と、まったく競う必要が無い事があるのに、いつも競っているような生活をしている事に気がつくんです。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-東京家族

この映画を観ると、自分の心の潤いが無かったことに気づかされ、頭をブルブルっと振って、目を覚まさなくちゃって思うんです。大切な事をちゃんと選り分けて、やる必要の無かった事を振るい落として行くと、もっと心に余裕が出来て、きっと本来のあるべき姿に戻れるような気がしました。

こういう大切な事を教えてくれる作品って、大切ですよね。ガチャガチャ騒いで楽しい映画も良いけど、自分の生活を見直せるような身近な作品って、いつの時代にも必要だと思うんです。山田監督の作品は、いつ観ても、家族のありがたさや、自分の愚かさを気づかせてくれて、私にとって、本当に大切な作品が多いです。20代の頃は、これほど感動したり、考えさせられる事って無かったのに、こんな私でも、少しは成長したのかな。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-東京家族

この「東京家族」は、若い方でも解りやすく、特に、親と離れて暮らしている方には、良く解る作品だと思います。人間にとって、大切なものってなんだろうということを、ちょっと、考えてみて欲しいです。

橋爪さんと吉行さんの夫婦、とっても素晴らしかったです。今回の配役は、プロデューサーの方がおっしゃっていたのですが、今まで、山田監督と出来るだけ組んだ事の無い方を使おうという考えの下、決められたそうです。震災の影響で、撮影が1年間ずれ込んでしまい、その為に配役が変わったりということもあったそうです。それが、どの役の方なのかは、お話してくださいませんでしたけど。

今回の撮影は、山田監督と初顔合わせの方も多かったので、結構、緊張して、穏やかに進んだように感じたとゲストの方がおっしゃっていました。話を聞いていたら、やっぱり、大御所監督なので、現場では、色々大変みたいでしたよ。(笑)でも、素晴らしい作品を作るためだから、仕方ないのかな。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-東京家族

私は、この作品、超お薦めしたいです。映画を観て、自分の今の生活を、ちょっと考えるきっかけになると思うので、たくさんの人に観て欲しい。そして、生活に少しでも潤いを持ってもらえたら、そんなステキな事無いですよ。下らない政治家に振り回されて、日本がボロボロになりつつある今、一人一人の心の持ち方で、少しでも変わって行けたらいいなって思います。年明けに公開なので、ぜひ、観に行ってください。本当に良い作品です。カメ


小津監督の「東京物語」、これから観てみようかな。楽しみです。



P.S : この作品でも山田監督と共同で脚本を書き、助監督をされている平山さんの初監督作品「ひまわりと子犬の7日間」が3月に公開されます。私なんて、予告を観ただけで、既に涙ぐんでしまったんですが、宮崎で起こった実話だそうです。主演の堺さんの出身が宮崎だそうで、やっと自分の国の方言で仕事が出来ると喜んで引き受けてくださったそうです。キャストも良いし、話も感動作、山田監督の下で20年も支えてきた平山監督の作品なので、間違いは無いと思います。私は、前売り券を買ってきてしまいました。(笑) ぜひ、期待していてくださいね。カメ

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-ひまわり




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