東京フィルメックスにて、「111人の少女」を観てきました。
ストーリーは、
イランの大統領のもとに一人の女性からの陳情の手紙が届く。それは111人のクルド人女性を代表して送られたもので、彼女たちが夫を見つけられないでいる状態を訴え、これに対して政府が何もしなければ111人のクルド人女性が集団自殺する、というものであった。役人のドニヤディデは、この一件を解決せよという命を受け、助手とガイドをともなってクルディスタンに向かう。最初はこの手紙を真に受けていなかったドニヤディデは、男たちが都会に出稼ぎに出かけてしまい、労働力の不足にあえぐクルディスタンの現状を知り、手紙の内容が嘘ではないことを悟る。果たして彼は女性たちの自殺を止めることができるのだろうか...?
というお話です。
イランの現在の状況や、クルド人がどういう扱いを受けているのかということを勉強しておかないと、とても難しい、解り難い映画だと思います。私も、観ている時は、どうして男が居ないのか、どうして少女が自殺をするのか、理由が理解出来ず、不思議な感じで終ってしまいました。
帰ってきてから、イラン国内の中でも、クルド民族が住んでいる地区には仕事が無くて、男性が出稼ぎに行ってしまうとか、クルド人が難しい状況にあり、民族の存続が危うい状況に陥っているとかが解ってきて、なんとなく理解が出来てきました。
それにしても、酷いんですよ。役人が、少女たちを探しに行くのですが、どこがクルド人居住区なのかも判っていないし、なんだか、地図も無いんですよ。役人の癖に、なにやってんだか。というか、この国、地図も作ってないのかしら。日本の常識から行くと、なんとも納得の行かない状況がたくさんありました。
111人の少女が、男性が居なくて結婚出来ないから、未来に希望を持てないので集団で自殺しますと言うんだけど、本当に少女たちが居るのか居ないのかは問題ではなく、これほどに状況が悪いのだということを、国に訴えたかったということなんです。国の未来の為に、政策などを考え直して欲しいという訴えなんですけど、これが、あまり大統領などには伝わっていないんですよねぇ。何処の国の政治家も、アホばかりです。
日本に居ると、中東の国の情報って、とても少ないですよね。大体、私なんて、イランにクルド人が住んでいるってことさえ、訳解って無いんですから。(笑)お恥ずかしい話ですが、本当の事だから書いちゃいますけどね。イラン人とクルド人の違いも解らないし、なんで仕事が無いのかが解らない。畑仕事したり、牧場やったり、なのか、自分達で仕事を探そうっていう気持ちは無いのかなぁ。
ここら辺が、日本人の私には、理解出来ていないんでしょうね。仕事なんて、自分で始めればいいじゃんって思うけど、政治が安定していないし、お金とか、交易とか、そういう事が出来ないのかも知れません。もー、未知の領域で、難しいです。
中東の国の状況とか、政治の状況などなど、日本では理解が乏しいので、中東の映画をやってくれるなら、平行して、中東の状況についての解説トークイベントのようなものがあると、とても嬉しいですよね。せっかくイランとかイラクの人の考え方を映画で観るのだから、色々理解したいなぁ。
と言う訳で、ほとんど感想になっていませんが、スミマセン。
日本公開は、難しいかも知れませんが、なにかで目にする事があったら、気に留めてください。女性たちは、とても美しいです。中東の血が入った女性って、美しいですよね。ステキでした。
【東京フィルメックス】 「111人の少女」 http://filmex.net/2012/fc03.html