「チキンとプラム あるバイオリン弾き、最後の恋」 悲しい恋は音に深みを持たせた。でも・・・。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

先日、「チキンとプラム」の試写会に連れて行ってもらいました。


ストーリーは、

愛用のバイオリンを壊された音楽家ナセル・アリ(マチュー・アマルリック)は、代わりのバイオリンを探したが見つからず、とうとう死ぬことにした。ベッドに横たわったナセル・アリは人生を追想する。修行の日々から人気者だった時代、大好きなソフィア・ローレンとチキンのプラム煮、そして成就しなかった恋。数々の思い出がナセル・アリの脳裏によみがえる。
というお話です。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-チキン

バイオリニストを目指すナセルは、師匠に”音楽に中身が無い”と言われ、悩んでいた。そんな時、町で見かけた女性イラーヌに一目惚れをし、彼女の父親が経営する時計店に通うようになる。そしてイラーヌと恋仲になったのだが、彼女の父親に反対され破局。その悲しみが、彼のバイオリンに感情を持たせ、誰もが涙するような音色を紡ぎ出すようになる。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-チキン

この恋を中心に描かれている訳ではなく、彼の人生をたどる中に、ポツポツとこの恋の話が出てきます。彼の人生は、彼の思い通りになることはほとんど無く、いつも、誰かに強要され、妥協の人生なんです。どうして相手に対して、言わなければならないことを言わないのかなぁと思うのですが、性格が弱いのかな。どうしても流されてしまう。ちょっとイライラする男です。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-チキン


そして、彼の大切なバイオリンを妻に壊された事がきっかけで、とうとう切れてしまい、死ぬ事にするんですけど、死に方が笑っちゃうんですよ。色々なやり方を想像するんだけど、上手く行かなくて、ハンストするんです。それで死ねるのかなぁ。ちょっと疑問ですが、アズラエル(死神)が現れたりして、面白いですよ。


人生は、思い通りに行かないけど、彼には全てをかけた恋があり、その思い出が、最後の彼の財産となった。彼は、しあわせに行くことが出来たのではないかな。彼に死が訪れた後に描かれる一つのエピソードで、すべての夢が救われます。観ているこちらも、ああー、天国でナセルも穏やかに暮らせるだろうという気持になれるんです。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-チキン

とっても感情的で、とっても面白くて、とってもフランス映画っぽい内容なので、一つ一つのぼんやりした場面をつなぎ合わせて話をまとめていく映画になれていないと、ちょっと難しいかも、ハリウッド映画的なものとは違うので、単館系の映画で満足出来る人のみにお薦めいたします。ステキでおしゃれなラブコメディーとはちょっと違うので、気をつけてくださいね。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-チキン

でも、私は、この映画の雰囲気、好きだな。窓辺に飾ってある鉢植えの花のように、一見、気にも留めない花だけど、ちゃんと人生があって、生きている。そして、本人にとっては、すごくたくさんの歴史が、心の中に積み重なっているという感じかな。大人しいけど、良く見ると、とっても美しいという感じ。
気になったら、ぜひ、観に行ってくださいね。楽しんできて。カメ





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