先日、「009 RE:CYBORG」(3D)を観てきました。子供の頃、アニメで観て、大好きだったんです。私は、ジョーではなく、ジェットとアルベルト派ですけどね。
ストーリーは、
2013年、ロンドンやベルリンなどで超高層ビルを狙った同時多発テロが発生する。その行方を世界中の人々が固唾(かたず)をのんで見守るものの、何の犯行声明も明らかにされない状態が続き次第に誰もがパニックに陥っていく。やがてこれまでも見事ベトナム戦争や東西冷戦などを解決してきたサイボーグ戦士9人が集結する。
というお話です。

サイボーグ009、すごく楽しみにしていました。私、アニメのサイボーグ009の宇宙樹編を子供の頃に観て、北欧神話とかシヴァ・ブラフマー・ビシュヌという神様に興味を持って、たくさん本を読みました。あの頃、アニメが一番の情報源で、そこからどんどん色々な事を覚えて行ったんです。学校の教科書より、よっぽど世界を教えてくれました。
特に、昔からサイボーグ009は、正義の味方というより、苦悩して戦っている戦士たちという雰囲気で、彼らの、人間で在りながら人間でないという苦悩が神との戦いに繋がっていくという、苦悩と神という存在を描いていて、とても哲学的だったんですよね。今回の映画でも、神は人間が苦痛を和らげるために作り出したもの、というフロイトの考えが映画の中でもそのまま使われていました。
その神というチップが人間に入っていないと、人間としての機能が上手く作動しないということは、反対に、人間が神に操作されているということになりますね。とすると、サイボーグが戦っている相手は、神と言いながら人間なのかも。石ノ森先生は、自分の中の自分と戦えとおっしゃっていたのではないかと思います。でも、今回の映画では、ちょっと、そこからズレていたような気がして、そこら辺は残念でしたね。
全体的な話としては、ちょっと残念と言わせていただいちゃおうかな。せっかく9人いるのに、顔を見せるだけで、まったく活躍しない戦士もいたというのが悲しいですね。それに、天使の化石が出てくるのですが、せっかく出てきたにも関わらず、大した説明も無く、最後、ムニャムニャ~ってなっちゃって、映画のストーリーとしては、要点を伝えられていないと思いました。
絵は、前のかわいい絵とは違っていますが、新しいサイボーグ009の始まりとするなら、これも良いかなって思いましたが、ジョーとフランスワーズの関係が、なんか生々しくて、ちょっとイヤだったかな。子供の頃に観ていたアニメなので、どーも、彼らがあういう関係だということを考えたくないこだわりが私の中にあるのかも。
次回は、もう少し解り易くて、まとまったストーリーにした方が良いのでは。それと、石ノ森先生の描いていた神々との戦いの意味を、フロイトと合わせて、研究した方が良いような気がします。
でも、サイボーグ009の復活は、とても嬉しい事なので、ぜひ、続けて欲しい。そして、石ノ森先生が決着着けられなかった最後を、なんとか終わりに導いて欲しい。
世界各国から1人づつ戦士が集まっているのは、日本という島国で世界を知るために、子供に世界は広いんだって教えてくれていたのだと思います。だから、このアニメは、ぜひ続けて、出来たら子供が観て解るようにして欲しいと思います。大人だけのアニメではなく、誰もが楽しめて、考えさせられるようなアニメとして続くことを期待しています。
私は、もともとのファンなので、好きなのですが、映画好きの方が観に行くと、ちょっとどうだろうなぁ・・・。もう少し、まとまっていれば良かったんだけど、いきなりこの作品だけ観ても、解り難いと思います。009ファンの方は、ぜひ観に行ってください。そうそう、3Dの意味は、あまり無いような気がしました。やっぱり、アニメは3Dでやる意味が無いような気がするんですよね。せっかく2Dの世界なんだから、わざわざ3Dにするって、意味あるの?とりあえず、久しぶりにジョーとフランソワーズが観れるので、ぜひ、楽しみに観てきてくださいね。
・009 RE:CYBORG@ぴあ映画生活
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