【TIFF】「闇の後の光」(WORLD CINEMA)映像の美しさに引き込まれ気持ちが平穏に・・ | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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東京国際映画祭のワールドシネマで、「闇の後の光」を観ました。


ストーリーは、

自然の中における人間の生と性を、神(あるいは悪魔)の視点を介在させて描く意欲作である。一見脈略の無い場面が時空を超えて繋がり、形而上的な表現は難解さが増す一方で、レイガダスの美学に貫かれた映像の個性と美しさは一層研ぎ澄まされている。直接的なストーリー・テリングに興味を示さないレイガダスの本領の極みとも言える本作は、今年のカンヌ映画祭のコンペティション部門で上映され、主に新聞紙上に厳しい批評が躍った。しかし見事監督賞を受賞し、檀上でマスコミに感謝するコメントを発し、孤高の道を行くレイガダスの面目躍如となった。

という内容です。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-闇の

なんか、内容が難しそうですが、あまり考えずに映像の美しさと、子供と犬の映像を追っていくと、何となく繋がってくる感じの映画です。とにかく、映像が美しくて、とっても引き込まれました。中心から外に行くと、映像が歪むというか、そうそう広角レンズで見ているような映像なんです。色といい、構成といい、本当に綺麗だなと思いました。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-闇の

田舎の自然の中に住む若い夫婦と2人の子供。彼らの家に、悪魔が尋ねてきます。何故来るのかは解りませんが、森の悪魔だったのか、本当のサタンだったのか、とにかく、夫婦の寝室に入って消えます。それが何を表すのかは、段々と解ってきます。

若い夫婦は、しあわせに暮らしていますが、所詮、彼らは、その地域の人間から見ればよそ者。あまり良く思われていないのです。そんなこともあり、ある日、悲劇が起こります。その悲劇が起こったのは、悪魔に魅入られたからなのか、それとも、神のイタズラなのか、それは観る人間が判断することです。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-闇の

映像は、その家族の現在の時間を軸に、家族の過去と未来が交差し、子供たちの幼年、少年時代、青年時代と、ポツポツと描かれて、挿入されてきます。未来の映像の中に、現在の時間に起こる事件が反映されているのですが、現在時間の事件は、もっと後に汲まれているので、何故、未来でこうなっているのか、観ている時点では解らないんです。だから、自分の頭の中に、家族の歴史のツリーを描いていかないと、解らなくなると思います。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-闇の

でも、難しく考えずに、あ、そういえば子供がこうだったよねとか、あの人居なかったよねとか、思い出すくらいで、別に、映像を楽しんで、簡単に考えて観ても良いと思いますよ。なんか、メタファーとか言われても、それなんやねんって感じですもん。わかんないよ。(笑)

私は、ある家族に悲劇が起こり、それを仕組んだのは神か悪魔で、だけど、それは、どんな家族にも起こることだし、神は最後までずっと見ているので、罪を犯した人間は許されないし、破滅していくのだということ。そして、無垢な子供たちは、それだけで天使なのだということ。すべては、神の手の平の内にあり、抗うことは出来ないのだということ。そんな風な映画に思えました。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-闇の

私は、この映画、解り難いけど、観た後に、不思議と気持ちが良くなりました。映像がとても素晴らしくて、なんだろう、映像に癒されたというか、神様に守られているのかもっていう気持ちになり、平穏な気持ちになりました。別に、内容なんて訳解んなくても良いんです。気持ち良ければ。(笑)


もう一度、映画祭で上映されるので、良かったら観てください。デザインや芸術をやっている方には、とても影響を与えるのではないかと思います。そして、哲学や宗教を論じたり、考えたりするには、結構、面白い内容なのではないかなと思いました。ぜひ、観てみて下さいね。カメ



東京国際映画祭 WORLD CINEMA 闇の後の光


http://2012.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=153