東京国際映画祭のコンペティションで、「フラッシュバックメモリオーズ 3D」を観ました。
ストーリーは、
追突事故で高次脳機能障害を負ったディジュリドゥ奏者 GOMAが、リハビリ期間を経て徐々に復活する過程を振り返る。GOMAのスタジオライブと過去映像、そしてフラッシュバックが共存する「全く新しい形の3D 映像作品」であり、まぎれもない「家族愛の物語」。
という内容です。
この作品、すごい衝撃でした。私、3D映画って、今までの映画の使い方より、こっちの方が合っていると思います。これ、内容が在りそうで無いから、ネタバレにはならないから書いちゃいますね。この本質は、観ないと解らないから、説明して良いと思いますが、とにかく、今までの3Dの使い方とは全く違うの。
GOMAさんというディジュリドゥ奏者が、障害を負ってしまって、そこから復活ライブをしてという彼の過去と、現在、演奏をしているGOMAさんを、一つのスクリーンの中にまとめてしまった感じですかね。監督が、3Dをレイヤーとして使っていると言っていましたが、本当に、その通りなんです。上の方のレイヤーで、GOMAさんがライブをしていて、後ろの方のレイヤーで、彼の過去が流れていくという、何層かで表現する3Dなんです。
まず、感動したのは、音楽も素晴らしいのですが、スクリーンなのに、スクリーンの前でGOMAさんが生ライブをしてくれているように観えたことです。最近、歌手のライブ映画ってあるでしょ。あれって、アップになったり、その人だけを追ったりするけど、この映画は、舞台を定点で移しているから、本当にコンサートで観ているのと一緒なの。もちろん3Dだから、そこに居るように見えますよね。で、その後ろに、GOMAさんの過去の映像が流れていくんですが、そちらは背景のように見えて、これは、映画と言いながら、ライブの再現なんだなって思いました。
ライブと言いながら、ちゃんと彼の辿ってきた過去の苦しみも描いているし、彼の生涯、彼の愛する者、彼の生活、彼の新しい趣味などなど、人間が事故でどん底に落ち込んで、そこから再生される姿が、この映像の中に描かれていて、それをそのまま描いては居ないんだけど、観ているこちらに伝わってくるんです。GOMAさんの音楽と映像が、訴えてくるんです。すごかった・・・。
GOMAさんって、今回の映画で初めて知りました。ディジュリドゥって、アボリジニの楽器なんですね。音が腹の底からズーンと響いてくるようで、身体の細胞が興奮しているのがわかりました。なんか、とっても気持ちよくて、眠くなっちゃいけないのに、眠りたくなるような、そんな安息を与えてくれるような音楽。CD、買いに行っちゃおうかな。アマゾンで探してみよう。
そんな音楽と、3Dの映像と、人間の強さが描かれていて、素晴らしいなって思いました。私には、衝撃でした。驚いちゃった。観る前は、まったく何の映画なのか解らず不安でしたが、最初の監督の挨拶で3Dをレイヤーとして使ってみたというキーワードと、GOMAさんの音楽が始まって、グイグイ引き込まれ、心地よい気持ちになったので、もう、トランス状態に陥ってしまいました。この映画、トランス状態になると思いますよ。
あまりの衝撃で、感想が長くなってしまった。この映画、絶対お薦めです。一度、こういう映画を味わってみると良いと思います。映画の認識が、ちょっと変わってくると思いますよ。これからの映画を考える上で、ぜひ、こういう映画も観てみた方が良いと思います。音楽もとても良いので、ぜひ、観に行ってください。
一応、来年、バルト9で公開が決まっているようです。映画とライブのコラボもあるようで、ライブハウスでやるようですよ。ネットで調べてみてね。ぜひ、楽しんできて下さい。
東京国際映画祭 コンペティション フラッシュバックメモリーズ 3D
http://2012.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=11
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