東京国際映画祭のコンペティション部門、「アクセッション-増殖」を観ました。
ストーリーは、
南アフリカの都市郊外で、定職もなく手当たり次第のセックスで気を晴らす青年が、HIV感染の疑いから逃れるために取った恐るべき行為とは。迷信と無知の恐ろしさが徹底してミニマルな手法で描かれ、監督の強い個性に貫かれた衝撃の作家映画。
という内容です。
本当に、衝撃でした。友人が、この映画、内容が問題視されているらしいと言っていたので、どんな映画なんだろうと思っていたら、南アフリカで本当に毎日のように起こっていることを、映画化しているものでした。ドキュメンタリー風に見えますが、そうではありません。この問題をドキュメンタリーで撮る勇気のあるジャーナリストがいたら、素晴らしいと褒め称えたいですけど、マスゴミには居ないでしょうね。
それほど、恐ろしい問題を描いているのです。この内容について、幼児虐待を描いているのでTIFFで上映するのは問題だと言っているマスコミ関係の方がいらっしゃるようですが、もし、本当にそう思ったなら、報道を辞めた方が良いです。これは、南アフリカで子供が性の犠牲になっている現実を、ドキュメンタリーも撮らず、ニュースにもしないマスコミの代わりに、映画としてこの監督が作ってくださったんです。マスコミが問題視しないから、彼が描いているの。
南アフリカでは、日常茶飯事に子供が、それも小学生や乳児(オムツしてる赤ちゃん)までが性的被害にあっています。HIVの問題が大きくなり、教養の無い人たちは、処女ならばHIV感線はしていないだろうという認識で、どこまでも生まれたての子供を強姦していきます。日本に居ると、そんな事考えられないけど、本当に毎日のように、そのような事件があるそうです。もう、多すぎて、警察も直ぐに来ないほどだそうです。
そして、直ぐに警察が来ないのを良い事に、その復讐も行なわれているらしいです。そりゃ、子供を強姦され殺されたら、復讐しますよね。親として、当たり前の事だと思います。そんなことが毎日起こっている南アフリカを、とても個性的な映像で追っています。
まず、美しい自然に囲まれた地域。動物もゆったり歩き、人々はしあわせに生きていそうに見えるのですが、そこでは、地獄と思しきことが行なわれているのです。ジョンという男をドキュメンタリー風に追い、カラーだったり、モノクロだったり、美しい映像の中に、地獄が描かれているんです。私、映像の難しい事は解らないけど、とても印象的な映像でした。
ただ、同じような映像が続くところがあるので、私、そこら辺でちょっとウトウトしてしまいました。(笑)
映像を観ていると、南アフリカの男は、そこら辺に居るヤギや牛と同じで、ただフラフラして、女とヤルことしか考えていないように見えました。ただの動物です。発情すれば、すぐ周りにいる女を捕まえてヤッてしまえば良いくらいに思っているのです。そこには、人間としての思考も倫理もありません。ただの動物なんです。そんな地域に生まれてしまった女の子はどうなってしまうのでしょう。本当に、見たくない場面もありますが、それが現実なので、目を背けたらいけないと思いました。
いつも思うのですが、恐ろしいもの、汚いものは見たくないのは当たり前です。でも、知らないこと、見ない事は、罪です。それは、目の前で人が死んでいくのを見殺しにしているのと一緒。やっぱり、何か出来る事が無いのか、考えてあげたい。子供は、何も考えずに無邪気に走り回らせてあげたいです。
日本にいれば、全く安全ということはありませんよ。ロリコン趣味の変な人も多いのです。いつ、自分の子供が犠牲になるか分からない。子供は、社会全体で守ってあげないと、親だけでは無理です。日本の子供も、南アフリカの子供も、しあわせに育って欲しい。
この映画は、衝撃的な、幼児、乳児の性的虐待を問題とした社会的映画です。出来たら、沢山の人に観てもらって、知識の無い国の人間に知識を与えられるようにするにはどうしたらよいのか、子供を守るにはどうしたらよいのか、考えて欲しいです。恐ろしいものは見たくないといわず、未来の為に、問題を直視して欲しいです。
何度も言いますが、知らないこと、見ないことは罪です。知らなければ許されるという事はありません。知らないからこそ、罪人となるんです。本当に、考えて欲しい。子供を守りたいです。
ぜひ、映画祭で、もう一度上映があるので、時間があったら、観てみてください。![]()
http://2012.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=1