【TIFF】「どうぶつの権利・聖者からの食事」 natural TIFF部門作品を一足先に・・・ | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

今日は、東京国際映画祭で上映される”natural TIFF部門”の作品「どうぶつの権利」と「聖者からの食事」を、皆さんより一足先に試写で観させていただきました。

この部門は、エコをテーマにした作品を集め、みなさんにエコとは何かという事を考えてもらう感じかな。今年は、よりエコを強く感じられる作品を選んだそうで、選定をされている矢田部さんや他の選定委員さんも、自信を持ってお薦めするようでした。


すべてドキュメンタリーなので、ストーリーはありません。でも、すごい心にグサッとくる内容ですよ。


「どうぶつの権利」

教会で我が子と変わらぬ愛情を注がれている犬たちが洗礼を受けている。生まれたばかりのヒヨコは、雄だけが機械で処分されていく。動物が生かされる意味、そして動物の権利とは何か。現代の人間と動物の関係を問う衝撃作。(作品案内)


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-どうぶつ


動物と一言に言っても、ペットもあり、家畜もあり、野生もありますよね。この映画では、ペットとして人間と共にしあわせに生活している動物たちと、家畜として大量生産され、ただ人間に食べられるために生命を終える動物たち。どちらも同じ動物だし、同じ命なのに、全然生き方が違う。とても不思議な感覚でした。


でも、どちらも人間にとっては、大切な動物だし、無ければならない人間の友達です。彼らに癒され、彼らに栄養を貰い、人間は、何も動物にお返しをしていないように思うんだけど、本当にこれで良いのかしら。その命のありがたさを、もっと感じて、大切に生きていかなければならないのではないかって思ってしまいました。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-どうぶつ


つぶらな瞳のブタさんやウシさん、ニワトリさん、みんな、私たちに食べられるために生まれて、箱に詰められ、成長させられ、殺される。私の身体は、彼らの死の上に出来上がっている。世界は弱肉強食なのだというけれど、その頂点に立つ人間は、ただ、食物として彼らを見ているだけで良いのかしら。


そして、ペットとして私たちと一緒に生活し、癒しを与えてくれている動物は、満足して生活してくれているのだろうか。本当は、不満がたくさんあるのを、押し殺して、私と一緒に暮らしてくれているのではないか。野生で走り回っていた方が、命は短くても、しあわせな一生が送れるのではないか、色々考えてしまいます。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-どうぶつ


この映画では、家畜とペット動物を、映像的に対比させながら、どちらがどうだということは、一切訴えて来なくて、観た人が、それぞれ考えられるように作ってありました。そして、このテーマは永遠です。決して答えは出ません。だって、かわいそうだと言っても、家畜が居なければ人間は生きて行けないでしょ。家畜をペットのように大切に扱っても、最後は殺して食べなければならない訳でしょ。決して、答えの出ないことです。出来る事は、私たちの為に身を捧げてくれる動物に、感謝することのみ。それを忘れないことです。



「聖者からの食事」

インドのハリマンディル・サーヒブ(黄金寺院)では、毎日、食事約10万職が無料で提供される。人種も階級も関係なく人々の空腹を満たす聖なる場所。何百人ものボランティアが行なう膨大な食事の支度から片付けまでを収めた圧巻の映像は、神々しい。(作品案内)


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-聖者


本当に、ただ、食事の用意をして、10万人の人が食べて、片付けるというだけの映画です。はっきり言って、何が面白いんだか解らなかったんだけど、確かに、10万人分というのは、圧巻でした。これ、でも、ボランティアで炊き出しとかやったことがある人には、あまり感動は無いと思うなぁ。私もだけど、別に、人種が違っても、同じだもん。日本でも、年末の派遣村とかって、こんな感じだったと思うなぁ。


でもね、この寺院での食事は、上品というか、礼儀正しいです。みんな、順番にきれいに並んで、順番にパンやカレー、つけ合わせなどを配布されて、寺院の床に座って食べているんですけど、本当に、貧しいから食べに来ている訳ではなく、寺院への巡礼的に食べに来ているように見えて、とても高貴な感じに見えました。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-聖者


食べた後も、キレイに食器を洗い、寺院の床も掃除して、本当に清潔にしているんです。なんだか、日本とかの炊き出しって、貧困だなぁって思いました。大体、お金が無いから無料のものを食べに来るっていう気持ちが、既に、低いですよねぇ。インドの人は違うもん。貧乏だからじゃなくて、神様に会うために来ているみたいだもん。あまりの人間の心の違いに、悲しくなりました。


信仰も無く、ただ、ぼんやり生活保護を受けているような人民が居る国は、どんどんダメになっていくよなぁ。どんなに貧困でも、心の持ちようが違うもん。日本の低いレベルを感じました。もう少し、マトモな国にしてくださいよ、政治家さんたち。ここまで酷くなったのは、あんたたちが酷いからですよ。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-聖者


食事の姿が圧巻だと思いますが、私は、違うところに目が行ってしまいました。その奉仕をする人たちの高い心、奉仕を受けながら、ありがたいという気持ちを忘れない高い心、人々の心の高さに、感服いたしました。大人から子供まで、男も女も、誰もが、そういう自分の国に誇りを持っているように見えたんです。素晴らしい事です。



この2本の映画、同時上映です。2本で、1時間半強かな。映画祭で2回上映されるので、もし、お時間があったら、ぜひ、ご覧になってみてください。心にグサッと刺さると思いますよ。お薦め映画です。

他のnatural TIFF部門作品も、今年はとても面白そうなんですが、私は、既に、コンペやワールドなどで時間を組んでしまっていて、観れそうにありません。これだけたくさんの作品をやるのだから、どうしても観れない作品も出てきますよね。


映画祭が終ってから、ある一定期間で良いので、ウェブで映画祭の作品がお金を払って観られるとかしてもらえたらいいなぁって思っています。これから、どんどん進化していったら、見逃してしまった作品も、そうやって観れて、映画祭の収益も上がるような事も考えて欲しいな。今年は、チケットも進化したし、これからの映画祭が楽しみです。カメ



東京国際映画祭   http://2012.tiff-jp.net/ja/