【ラテンビート映画祭】「マリアの選択」惨酷な選択肢を選ばなければならない場合もあるのかも。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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先日、「ラテンビート映画祭」で「マリアの選択」を観てきました。


ストーリーは、

ウルグアイの首都モンテビデオに住むマリアは、3人の子供の世話と、80歳の父親の介護に追われ、多忙を極めていた。心身ともに疲れ果て、経済的にも窮地に陥ったマリアは、父の介護の援助を頼みに社会福祉局を訪ねる。だが、少ないながらも定収入があるため公的補助は受けられない、と追い返されてしまう。
というお話です。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-マリア

この話は、誰にでも訪れる、重要な問題を描いています。親が痴呆になってしまって、自分が面倒を見なければならなくなったらどうします?マリアには、3人の子供が居て、夫は無く、家も取られて、今は狭いアパート暮らし。そんなところで、父親の面倒を見なければならず、まして痴呆の父親。お金を稼ぎたくても、一日、働きに出るわけにも行かなくて、家で内職をし、子供と父親の面倒を見ているのですが、苦しいに決まっていますよね。


もちろん、父親の年金、子供手当ては貰っています。でも、自分が目一杯働きに出られない(父親が徘徊してしまったり。)ので、正社員にはなれず、必ず仕事が貰えるとは限らないので、給料も一定していません。だから、子供の教育費を払うのも間々ならず、生活も困窮しています。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-マリア


子供たちは、とっても良い子で、おじいちゃんの事も心配していて、家族としては、とても良い家族だと思いました。でもね、やっぱり、生活が苦しいんです。どんなにがんばっても、一人で5人を生活させていくほど稼ぐのは難しいんですね。それで、マリアは、公的な施設に父親を預けたいと思い、役所に行くのですが、役人は、法律に従ったことしか言わず、彼女がどれほど苦しい状態なのかをわかりません。これは、日本でも一緒ですよね。


いつも思うんだけど、役所の対応って、本当に人間的じゃないですよね。もちろん、所得制限とかがあって、それに適応しなければ公的施設を利用出来ないというのは解るけど、マリアのように、子供が3人も居て、父親に徘徊があるのでは難しいですよね。父親の年金で入れられる施設があればいいけど、年金にお金を足さなければ入れられないような民間の施設では、カツカツの生活をしている家族には無理です。これって、生活保護を受けるほうが働くより裕福っていうのと同じ状態ですよね。どうして、こういう不条理が出てきちゃうんだろう。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-マリア


もう、マリアは限界になってきてしまい、ある行動に出ます。それは映画を観て欲しいんですけど、本当に酷い、惨酷だと思うと思いますが、マリアの立場に立ってみたら、もう、限界なんです。自分でも、どうしていいか解らない。どうしようもないという事だったのだと思います。こんな状態になる方、現実にも、結構、いらっしゃるんじゃないかな。観ていて、とても共感出来ると思います。

この映画、日本公開しないのかな。これ、日本の問題でもあると思いました。高齢者社会になってきて、老々介護が普通になってきている今、収入も少なく、どうやって親の面倒を見ていくのか、大きな問題だと思います。親子で孤独死というのも出てきているし、これからどうなって行くのでしょう。ご近所のつながりも薄くなっている今日、共産主義社会ではないけれども、みんなで見て行かなければならない状態になりつつあります。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-マリア


生活保護など止めて、自分達で生活出来ない人は施設などにまとめて、そういう老人と一緒に生活させて、面倒を見ることで生活が出来るようにさせるとか、そういう社会に出来ないんですかね。何もせずにお金を貰ってパチンコをしているような人間を生かしておく必要はありません。ちゃんと働かせれば良いのです。それも、年金や税金をキチンと払ってきた老人の面倒を見させれば、プラスマイナスも無くなるでしょ。


人権というのは、人として生きてきた人間にのみあります。何もしてこなかったら人間ではなく、人権はありません。国外から日本に来て生活保護を受けている人間も同様です。外国人には生活保護など与える必要は無いんです。自国に帰らせれば良い。本当に、日本政府はアホですね。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-マリア

話が逸れて行きましたが、老人の介護問題は、本当に、予断を許さない問題です。考えて欲しい。この映画、ぜひ、日本で公開して、たくさんの人に観て欲しいな。愛していても、どうしようもなくなる事がある。その人間の悲しみを感じて欲しいです。ぜひ、観て欲しい作品でした。カメ



「ラテンビート映画祭」  マリアの選択


http://www.hispanicbeatfilmfestival.com/lbff2012/la-demora.html




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