先日、「赤い季節」の完成披露試写会に行ってきました。
ストーリーは、
殺し屋稼業から身を引きバイク屋で勤務する健(新井浩文)は、同業者の陽子(風吹ジュン)と共にまじめに生活しようと努めていた。そんなある日、殺し屋時代の先輩アキラ(村上淳)が現われ、再び健を仲間に引き戻そうと店に頻繁に通うようになる。健を元の世界に戻したくない陽子だったが、平穏だった日常に少しずつ変化が生じてきて……。
というお話です。
能野監督にとって、初めての映画です。音楽業界の方が、突然、「SNAKE ON THE BEACH」の曲に印スパイアされて、自分で映画製作に取り掛かるって、すごいですよね。そんな異業種の方の挑戦なので、ちょっと、映画業界で育ってきて、監督をした方の映画とは違う気がしました。
何が違うかって言うと、音楽って、重要な部分は歌詞に描かれているけど、細かい描写はされていませんよね。音と歌詞によって、その雰囲気を頭の中に描いて、自分で作り上げて、感動したりするでしょ。この映画もそんな感じに見えました。余分な描写などは、一切省いてあるみたいなんです。主人公の生い立ちも、ほんの少し描いて、観ている人間に想像させる。殺し屋としての腕も、一言のセリフで、どれほど周りから恐れられているかを想像させるなど、観ている人の感覚に委ねているんです。ちょっと、普通と違うでしょ。
出演者も、音楽関係の方が多くて、チバさんを筆頭に、中村さんや泉谷さん、新居延くんが出ていたりして、音楽好きな方には、嬉しいんじゃないかな。演技はまだまだだと思うけど、なんか野生のパワーみたいのを感じました。ぎこちない部分もあるけど、専門の役者的な臭いが無くて、それもステキだよなって思いました。
”莫逆家族”と出演者が被っていて、新井さん、村上さん、中村さんと、悪い奴グループが、今度は敵味方になって、楽しかったです。特にゾンビだった新井さんが、今回は、とっても活き活きしている凄腕の殺し屋になってて、嬉しくなっちゃいました。私、新井さん、大好きなんですよ。普通っぽくて、すごく良い表情をしてくれるでしょ。「BOX 袴田事件 命とは」って映画を観たとき、新井さんの表情を観て鳥肌が立ったんです。それまでも良いなって思っていたんだけど、そこから超好きになりました。
村上さんは、やっぱり憎らしい役でしたねぇ。青いジャケットが印象的で、カッコよかったです。やっぱり、イイっすね。中村さんは、渋い感じで、今回は、あまり出演場面が無かったんだけど、ロックしてましたよ。新居延くんは、私、ロックをやっている人とは思わなかったんですけど、すごい人なんですね。驚いちゃいました。今度、音楽も聞いてみたいと思います。
話としては、不幸な生い立ち(と言ってしまうと簡単だけど。)の青年が、悪の道から抜けて、全うな生き方をしたいと思い、足を洗おうとするけど、簡単には抜けさせてもらえないっていうお話なんです。そこに、たまたま関わってきた少年が巻き込まれていく。まぁ、聞いたことがあるような話なんですが、描き方が普通と違うので、違った感覚が味わえます。
私は、音楽好きの方にお薦めしたいと思います。あまり、ロックとかに興味が無い方だと、荒っぽい作りなので、ちょっと、展開に付いて行けないかも知れません。でも、新井さんが超カッコイイので、楽しめると思いますよ。 ぜひ、楽しんできてください。
・赤い季節@ぴあ映画生活
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