先日、ラテンビート映画祭で「ヴィオレータ、天国へ」を観ました。
ストーリーは、
チリの貧しい村で生まれたヴィオレータは、幼いころから道端や酒場で歌を歌って小銭を稼ぐ日々を送っていた。大人になり、フォルクローレ歌手の道を歩み始めたヴィオレータは、民謡の研究や、曲作りに没頭。彼女の歌はメディアにも取り上げられるようになる。
ある日、ヴィオレータの歌をラジオで聞いたという若いスイス人男性が訪ねて来る。一目で恋に落ちたヴィオレータは、恋人と共にパリへ渡るが…。
というお話です。
チリの有名フォルクローレ歌手の伝記映画です。波乱万丈な生き方で、同じ女としては、彼女の生き方は、あまり好感が持てるものではありませんでした。音楽は、とても気持ちよくなるようなもので、観ていて、すごく眠くなっちゃいましたけどね。
貧しい生い立ちで、幼い頃から道端で小銭を稼ぐような事をしてました。大人になり、自分の歌でお金を稼げることが解り、歌の世界に没頭していきます。チリの田舎の村を訪ねて、民謡を集めてきたり、自分で作曲したり、精力的に活動を始めました。そんな活動をしながら、結婚をして、子供を儲けたのですが、仕事を優先していて、幼い兄弟に生まれたばかりの子供を頼んで出かけてしまい、生まれたばかりの子供が死んでしまいます。これに、腹が立ちました。子供どうしで家に残して出て行くって、ダメに決まってんじゃん!!トンでもない母親ですよね。

男関係も激しくて、オバサンが若い男を漁るように見えて、本当にイヤでした。子供も既に何人もいるんだから、そういうところ、ちゃんとして欲しい。恋愛して、再婚するならまだしも、男漁りのような状態だと、汚いというか、下品に見えて、気持ち悪かった。映画なんだから、嘘でも良いから、そこら辺だけでも、キレイに作って欲しかったな。
才能がある人だったのだとおもうけど、すごい自信家っぽくて、人からは好かれない性格に見えました。何事も、自分を中心に考えて、人の気持ちが解らなかったように思えます。これだと、周りの人間は、辛くなってしまって、離れて行ってしまいますよね。やっぱり、自分に才能があることが解っていても、人を思いやる気持ちは必要だと思いますよ。音楽だって、自分ひとりでやっている訳ではないんですから。

そんな性格なので、段々と、周りの人々が離れて行き、50歳で亡くなるのですが、芸術家と呼ばれる人って、こういう最後が多いですよね。ゴッホや、ヘミングウェイ、ジュディ・ガーランドなどなど、きっと自分を解ってくれる人はいないのだと思って、死を選んでしまうのだろうけど、そりゃ、あんたの考えてることなんて解んないよねぇ。自分勝手で、周りは自分の思い通りに動くなんて思っているような人たちに、共感なんて出来ないよ。芸術家だからって、良い気になんなよっ!!って言ってあげる人が、周りに居なかったんだろうね。かわいそうに・・・。

そんな性格の悪い女性でしたが、音楽は、本当に良かった。たくさんの音楽が流れるのですが、本当に気持ちよくなっちゃって、眠くなりました。寝ちゃいけないって思うんだけど、あまりにも気持ちよくて、本当に困りました。これ、サウンドトラックがあったら良いのになぁ。チリの音楽なんて、日本では、ほとんど知らないから、アルバムを手に入れたいな。アマゾンで調べてみよう。

この映画、フォルクローレ音楽を聞くだけでも、価値があると思います。ヴィオレータの人物像には共感できなかったし、あまり好きな女性ではないけど、でも、音楽は素晴らしい。これほど気持ちが落ち着くというか、穏やかになるなんて、驚きました。音楽好きな方には、ぜひ、お薦めしたい映画です。
ぜひ、楽しんできて下さい。
http://www.hispanicbeatfilmfestival.com/lbff2012/violeta-se-fue-a-los-cielos.html