今日は、「推理作家ポー 最後の5日間」 の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
1849年のボルチモア。ある殺人事件を担当することになった警部補エメット・フィールズ(ルーク・エヴァンス)は、事件が推理作家エドガー・アラン・ポー(ジョン・キューザック)の作品によく似ていることを察知。貧乏で酒におぼれる生活を送るポーは容疑者とみなされるが、捜査が進められる中、彼の著作をまねるように連続殺人が発生。その後、自らのアリバイが証明されたポーは、事件解明のため捜査に加わるが……。
というお話です。
エドガー・アラン・ポーというと、ちょっとグロテスクなサスペンス推理小説を思い出しますが、どちらかと言うと、本人は詩人だと思っていたのではないかと思います。この映画の原題も「THE RAVEN」(大鴉)という詩と同じタイトルが付いていて、この「大鴉」という詩で、エドガーはその名前を世界に知られることとなりました。
映画のエドガーは、どちらかと言うと、それほど鋭い推理が出来るような繊細さを持ち合わせていないように見えたんですよね。一応、死体を見て、犯人像の推理をするんですけど、どちらかと言うと、フィールズ刑事の方が、良く当たっていたような・・・。二人で、犯人が残していったヒントを見て、推理をしていくんだけど、どう考えても、相手が誘導しているのがバリバリなんですよ。それなのに、もしかしたら人質が見つかるかも~みたいに期待して向かってしまう二人に、まだそこには居ないと思うよ~みたいにツッコミを入れながら観ていました。
エドガーは、実際、とても貧困だったそうで、映画も同じように貧乏でした。それでも、金持ちの娘エミリーと結婚の約束をしています。ここで、映画を観る前に知っておくと面白いと思うのですが、エドガーの最初の妻は、貧困の中、病気で死んだのですが、なんと、結婚したとき、エドガーは26歳、妻ヴァージニアは13歳だったそうです。完璧なロリコンですね。そんな彼が再婚に選んだのは、彼が大学に入学する前に恋に落ち、結局ひき裂かれて、彼女は他の人と結婚し、現在は未亡人となったエミリーでした。だから、映画の中で、エミリーの父親が、既にエドガーの事を知っていて、毛嫌いしているんです。
そんなエミリーが誘拐され、エドガーの小説どおりに殺人が次々と行なわれ、その殺人現場にエミリーを探すヒントが隠されているんです。必死でヒントを解こうとするエドガーとフィールズ。重要なヒントが最初の殺人に残されているので、最初の殺人の証拠品を調べているフィールズの言葉を忘れないで下さいね。
どんどんタイムリミットが迫り、ハラハラする展開になるのですが、いま1つ、ピッとしない感がありました。どうしてかなぁ。どーも、エドガーの繊細さが、ジョン・キューザックだと出ていないんですよねぇ。エドガーは、繊細でロリコンなんだから、もっと”なよっ”としていても良かったんではないかと。肉体派ではなく、頭脳勝負で行くタイプにして欲しかったな。
もちろん、実際のエドガーと同じ様に死ぬのですが、死ぬ前に「レイノルズ」という言葉を残して死んでいます。この「レイノルズ」という名前を、この映画では、どう解釈して使っているのか、楽しみにしてください。でもね、本当は他人の服を着せられていたそうで、そこだけは、この映画だと辻褄が合わないんだよね。
19世紀中期なので、とってもレトロな感じがステキです。私、この時代好きなんですよね。ドレスもステキだけど、建物の内部とかインテリアも、イイ感じでしょ。観ているだけで、独特な昔の家の臭いがしてきそうなのよね。ダークブラウンのデスクにインクとペンが置いてあったりして、ちょっと湿気が多いような・・・。あんな部屋に住んでみたいなぁ。
そうそう、エドガーの相棒フィールズ役を、”三銃士”のアラミスをやっていたルーク・エヴァンスがやっています。超イケメンだけど、女性に興味が無いのよねぇ。残念・・・。
私は、サスペンス推理系の映画が好きな方には、お薦めしたいと思います。ちょっとグロい場面もあるので、グロいのがダメな方は辞めた方が良いかも。10/12公開なので、エドガー・アラン・ポーのファンの方、サスペンス好きな方、ぜひ、楽しんできて下さい。
P.S : エドガーは、アライグマを飼っています。超かわいいので、見逃さないで下さいね。でも、本当のアライグマは凶暴です。あんなに懐きません。ペットで飼うのは辞めた方が無難です。(笑)