【ラテンビート映画祭】「EVA <エヴァ>」 映像も美しく、とても良く出来たSFでした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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ラテンビート映画祭で、「EVA <エヴァ>」を観てきました。


ストーリーは、

2041年、ロボット科学者アレックスは雪にとだざれたサンタイレーネのロボット研究所に10年ぶりに戻り、少年型アンドロイドの制作を始める。かつて恋人であり、今は兄の妻となったラナの娘、エヴァにヒントを受け開発を進めるが、エヴァには秘密があった…。ラナは、出来るだけエヴァをアレックスに近づけないようにしようとするが・・・。

というお話です。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-EVA


まず最初に、映像が素晴らしく美しいです。発想が素晴らしいと思いました。予告などの映像でも観れると思いますが、クリスタルのようなものが、空中で待っているんですね。これがオープニングなんですけど、このクリスタルが何かと言うと、コンピュータのプログラムなんです。ロボットのプログラムを、平面画像でなくて、3Dで、素質や性格などの特徴を組み立てているんです。そして組んだプログラムをロボットの中へ。すごいでしょ。これだけでも、見応えがあります。


それ以外にも、ロボットのネコが出てくるのですが、動きがとても良くて、アイボのように、ただ愛らしいのではなく、ネコとしてのプライドや意地悪さも持ち合わせているように見えるんです。良く出来ているなぁと感心してしまいました。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-EVA


未来のロボット工学は、人間一人に1体のロボットくらいの感じで普及していて、ロボットにある程度の感情というか、感情的な反応が出来るようにプログラムされているんです。但し、アイザック・アシモフの言う、「ロボット三原則」なるものに合格したロボットのみ、製作許可されているんですね。「人間への安全性、命令への服従、自己防衛」というものなのですが、これ、矛盾があるんですよ。自分が壊されそうになった時、人間に危害を加えていいのかということです。人間への安全性と自己防衛、この二つがかち合ってしまうんです。これが、ロボットSFで、いつも問題になるんですけどね。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-EVA


アレックスは、天才であるが故に、ロボットを人間により近く作りたいという願望があります。でも、人間に近づけようとすればするほど、ロボット三原則がネックになりますよね。人間には欲望があり、その欲望を通そうとするからこそ、学習するし、発想があるんです。欲望を通すとなると、対人間の駆け引きや戦いが出てきます。でもロボット三原則には、人間への安全性と服従があるから、どうしてもそこで引っ掛かり、同じようなロボットになってしまう。


ロボットSFは、この関連を突き詰めていくのがとても面白くて好きなのですが、この映画も、とことん突き詰めて考えていて、楽しめました。完璧なロボット=人間となると、人間を人間が作り出すことになり、神への冒涜となってきますよね。カトリックが国教となっているスペインでは、ここんとこ引っ掛かったんじゃないかなぁ。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-EVA


ロボットも問題だけど、ロボットを中心にアレックスとラナと兄デヴィットとのラブストーリーも良かったなぁ。どうしてそうなったのかというのは、一切描かれていないんだけど、3人の表情や態度で、3人3様の思いがあったんだろうなぁということが読み取れて、かわいそうになりました。誰が悪いって、アレックスが悪いんだけどね。


私、SF大好きなので、いつもうるさい事を書きますが、今回、とても映像が斬新で嬉しくなりました。私のコレクションの一つに加えたいSFです。久々に、美しくて面白いSFに出会いました。このアイデア、ハリウッドに盗まれちゃうんじゃないかなぁ。心配です。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-EVA

私は、超お薦めしたい映画です。これ、日本公開は決まっていないようですが、10月末からの”シッチェス映画祭”での上映が決まっていますし、もし、盛り上がれば公開もあるかも。これ、公開して欲しいなぁ。もしダメでも、DVDは発売して欲しい。ラテンビート映画祭は、まだ続きますし、”シッチェス映画祭 ”は、東京と大阪で開催されるので、もし、気になったら、ぜひ観に行ってみてください。


この映画は、SFなどにあまり興味が無い方でも、映像だけでも観る価値があると思います。




ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-EVA


「ラテンビート映画祭」 EVA<エヴァ>    http://www.hispanicbeatfilmfestival.com/lbff2012/eva.html


「シッチェス映画祭」       http://www.theater-n.com/movie_sitges.html