今日は、「ツナグ」の試写会に行ってきました。昨日の試写会で会ったお友達が、行けないからって試写状をくださったんです。すごく嬉しかった。でも、仕事が込んでいたので、結構、ギリギリでしたが、入れました。(*^。^*) 試写状をくれた○○さん、本当にありがとうございます。
ストーリーは、
生きている者が、もう一度だけ会いたいと強く願う、すでに亡くなってしまった者。その再会の機会を設けることができる、“ツナグ”と呼ばれる使者の見習いをする高校生・歩美(松坂桃李)。ガンで逝去した母(八千草薫)と会いたいという高慢な中年男・畠田(遠藤憲一)、けんかをしたまま事故死した親友・御園(大野いと)に尋ねたいことがある女子高生・嵐(橋本愛)など、さまざまな依頼人の願いをかなえる歩美。だが、死んだ者と生きる者が再び出会ってはいけないのではないか、それで両者は救われるのだろうかと考え……。
というお話です。
感動のファンタジー映画です。死んだ人と一度だけ会うことが出来るという事で、何故会えるのかとか、どうやって会わせているのかということには一切触れず、死者と会うことで、人がどう変わるのかということが描かれています。
死者に会うという事を考える前に、人間は、死んだら何処へ行くのかということを考えてしまいます。だって、会うと言うなら、何処から会いに来るのかって事でしょ。死んだ人が生前と同じ記憶も持ったまま、戻ってくるとなると、死んだ時点から変わらないんですよね。映画の中で、少し話しが出るのですが、生前の記憶の断片を集めて形にしているのではないかって言うんです。それで実体が出来るというのも不思議だけど、原作者は、そういう考え方で書いたのかしら。
これって、日本だからこその映画というか、小説だと思ったんだけど、もっと国に宗教が根付いていたら、神の領域だから、そこに踏み込むなっていうことになるじゃないですか。日本は、強い宗教が無いから、”八百万の神”、何処にでも神がいて、死んだら誰もが神になるという、昔からの言い伝えのような考え方があるからこそ、死んだら、その人の身体はチリになるけど、意識は現世に漂うという考え方に行き着くのかなって思いました。
人が亡くなると、生きている時に言っておけばよかったとか、会っておけば良かったとか、色々後悔が出てきますよね。一言、ありがとうと言いたかった、ごめんなさいと言いたかった、考えれば考えるほど、悔しくて、悲しくなる。だから、一度だけ会えるなら、その伝えられなかった言葉を伝えたいというのって、誰にでもありますよね。映画では、その一言が伝えられたら、未来に踏み出せるって事を描いているんです。
でも、どうなんだろう。後悔が残るからこそ、その経験を元に、出来るだけ伝えたい事は早く伝えようとか、会える時に会っておこうとか、人間って学習していくんじゃないのかな。もし、一切の後悔が無くなったら、人間、成長しないような気がするのは私だけなのだろうか。悪いと思ったら、素直に謝れるようになるのも、後悔があるからこそなのではないかと思うのですが。
映画の中では、死者と会えて未来に歩きだせる人と、もっと”しこり”が残ってしまった人と、色々いるのですが、それが、その人にとって、プラスになったのかマイナスになったのかは、解りません。それが解るのは、その人が人生を全うした時に、解るのでしょう。難しい事です。
私なんて、一度しか死者に会えないと言われたら、誰と会ったら良いのか決めかねて、結局、自分が死んでしまうまで決まらなそう。(笑)一度会ったら、あの人にもこの人にも会いたいって、欲が出てきてしまうだろうから、決められないっす。失敗した~って思っても、後の祭りなんでしょ。辛いなぁ。それなら、前に死んだペットの犬とか、フェレットに会わせて欲しいって言っちゃうかも。あ、でも人間だけなのかぁ。
松坂くん、とっても素直な青年を演じていて良かったと思いますが、さすがに高校生は、そろそろ辛いんじゃないかなぁ。大学生なら問題ないけど、高校生って、もう少しバカそうな顔してないと・・・。知識が顔に出てしまっています。樹木さんはマジで巫女という感じで、ツナグの役にピッタリでした。さすがです。他の出演者も良かったのですが、あまり書くと、ネタバレになるので、書けません。八千草さんは、本当にお綺麗ですね。その場面の空気が、オーラで華やかになりますもん。
3組の人がツナグの力を借りて死者と会うのですが、どの話も、それぞれ意味があり、感動を与えてくれます。結構、普通に生活していて、ありそうな事なので、自分にも置き換えられるかも。考えさせられます。
私は、まぁ、お薦めしたい映画かな。ファンタジーを素直に受け止められる人は良いけど、ツッコミを入れてしまう人には、あまりお薦め出来ないかも。この映画を観るには、心を素直にして、ありえない事でも、すべて受け入れる気持ちにならないと、冷めてしまうかもしれません。ぜひ、清い心で、感動してもらいたいと思います。ぜひ、楽しんできてくださいね。