先日、「コーパス・クリスティ 聖骸」という舞台を観てきました。
内容としては、
トニー賞作家テレンス・マクナリーが、 1998年ニューヨーク演劇界に大論争を巻き起こした“幻の問題作”が遂に日本上陸。
キリストが現代のアメリカでゲイの若者として育ったら―。 ユダと愛し合い、ユダに裏切られて、受難の日を迎えたら―。ユニークかつセンセーショナルなエピソードの数々に、 あなたは大笑いするか、打ちのめされるか。
というお話です。
内容が面白そうだなって思って行ってみたら、あの渡部豪太くんがイエスで、ユダを窪塚俊介さんだったんですよ。窪塚さんの名前には気がついていたんだけど、他に気がつかなくて、驚いてしまった。もっと、ちゃんと調べて行けよって怒られちゃうけど、舞台や映画を観る前って、あまり無駄な情報を入れないようにしているんです。出ないと、そちらにばかり目が行ってしまって、本当の描いていることが解らなくなっちゃうでしょ。
舞台ですが、結構、面白かったです。もし、イエスが現代アメリカに生まれて育って、同性愛者だったらって話なんですけど、現代なら、母子家庭でも何の問題も無いし、同性愛だって問題なくて、でも、救世主として認めてもらえるかって言うと、ちょっとどうかなーって感じですかねぇ。現代の方が病んでいるから、付いてくる人も多いかも知れませんよね。
でね、このアメリカでの生活の雰囲気のまま、最後まで進んでくれたら良かったんですけど、どーも、途中で昔のキリストの話に準じたようにシフトしてしまって、兵士とかに捕まって、ゴルゴダで処刑ってなるんですけど、ここら辺も、アメリカっぽくやって欲しかったな。たとえば、詐欺とかの罪で警察に捕まって、その州では死刑があるからってことで、死刑にされるとかにしてくれれば、なんか、良かったんだけど、最後の方は、イエスそのものになってしまって、ちょっと寂しかったな。最後までアメリカンで突き通して欲しかった。その方が面白かったと思う。トニー賞作家の原作がそうなのだろうから、変えられないんだろうけどね。
ここで、ユダがどうしてイエスを裏切ったのかというのが問題になってくるんだけど、神の意志によりユダが操作されてしまったのか、ユダがイエスを愛しすぎて自分ひとりのものにならない事に苦悩して裏切ったのか、救世主として周りに期待されて苦しむイエスを見ていられなくなったのか、はっきりした表現は無かったんですけど、どうなのかな。自分の愛する人が苦しむ姿を見るのも嫌だけど、愛する人が自分のものじゃなく皆のものって言うのも嫌だよなぁ。ユダの苦悩は計り知れません。
まじめそうな内容なんだけど、結構、笑えるんですよ。私、結構、ツボに入ってました。まず、ラグビーボールを赤ちゃんのイエスに見立てて演じるところも、なんか、面白いの。私、笑ってしまいました。それに、唐突に何故か”かめはめは~!!”を撃つところがあって、私と友達は大笑いだったんだけど、結構、周りは真剣に観てましたね。あれ、笑ってイイところだよねぇ。(笑)あと、ハイスクールでの場面で、女の子の役を男が演じているんですけど、女なのに大股開きしちゃってて、おおーい!って笑ってしまいました。そんなところも、とても楽しめます。(笑)
最後に、渡部くんの背中がすごくキレイで、驚きました。今どき、あんなに綺麗な背中の男性、いるんですね。驚きました。いやぁ、背中から抱きつきたいっ!!うにゃにゃ~!!あまり筋肉質ではなく、普通の男性の背中って、セクシーよね~。ここも見所ですっ!!
13人の男性で演じられるのですが、やはり松田さんが舞台をビッと締めていたような気がします。声が良く通るんだ。澄んでいる声なので、とっても聞きやすくて、理解しやすい。やっぱり、さすが舞台慣れされていて、素晴らしいです。窪塚さんも、彼が出てくると、ちょっとそこだけ黒い空気が流れるような雰囲気に演じていて、ユダという役らしかったと思います。渡部さんは、白、イエスですもんね。美しく守られているような雰囲気で良かったですよ。
この舞台、私は、とても楽しめました。ちょっと視点を変えて演じると、こんな風に新しいものとして楽しめるということが分かりました。また、こういう舞台があったら観てみたいな。私は、満足の舞台でした。
10日ほどしかやらないの、もったいないなぁ。
「コーパス・クリスティ 聖骸」 http://www.nelke.co.jp/stage/Corpus_Christi/