今日は、「天地明察」を観てきました。休日に行くのはイヤだったんだけど、時間が今日しか取れなくて、行ってきました。すごい人気で、映画館、一杯でしたよ。
ストーリーは、
太平の世が続く江戸時代、算哲(岡田准一)は碁打ちとして徳川家に仕えていたが、算術にもたけていた。もともと星を眺めるのが何よりも好きだった彼は、ある日会津藩主の保科正之(松本幸四郎)の命を受け、北極出地の旅に出ることになる。算哲らの一行は全国各地をくまなく回り、北極星の高度を測り、その土地の緯度を計測するという作業を続け……。というお話です。

安井算哲の生涯を描いている小説の映画化です。日本固有の暦を作った人ですね。今は、夏至とか冬至とか確実に判るけど、昔はカレンダーに書いてある夏至や吉凶などがずれて間違っていたそうなんです。それを、毎日観測してズレを正し、使える暦を作ったんです。暦って、普段は、あまり気にしていないけど、大切なんですよね。
江戸時代でも、算術って、流行っていたんですね。観ていて、面白いなぁって思いました。絵馬に問題が書いてあるんだけど、TV「たけしのコマ大数学科」でやっているような問題がいくつもあって、あの時代に、それほど方程式なんて伝わっていなかっただろうに、それを解くんですよねぇ。三角定理とか、円周率なんて、どこまで知っていたんだろう。その時代の数学に、とても興味を持ちました。

そんな数学にのめり込んでいる算哲を、会津藩主の保科と水戸光国が取り立てて、改暦の仕事を始めさせます。毎日、日と月と北斗星の観測をして、地球が丸い事を確認し、海外からの情報も取り寄せて、地球が丸いこと、軸がズレていることが判り、その角度から暦を計算しなおします。
本当に、すごい時間と労力と人力を使い、大切な暦を作ったのだなぁと判り、感動でした。こういうすごい人が居てくれたからこそ、今、私たちは、安心してカレンダーを信用し、それに従って行事などを進められるんですよね。ありがたいなぁ。

私は建築をやっているので、方角や吉凶など、結構、仕事に関わるので気にしています。今も、若い人などに風水が流行っていますよね。風水も、黄色が良いとか言うのはインチキかもしれないけど、方角に関しての吉凶は、確かに、道理にあっているんですよ。北東に水場が悪いというのは、木造だと湿気の多い北東の角にあると腐りやすいからです。
大安や仏滅も、日の高さや月の満ち欠けによって、人が受ける影響などを考えての事なので、出来たら暦に従った生活を送る方が、健康な気がしますね。若い人だって、結婚式とか、大安が良いかなって思うでしょ。やっぱり、何かあるんだと思うよぉ。そんなもんって言うけど、やっぱりちょっと気にしてみたら、また新しいものも見えてくるかも知れませんよ。

映画の話に戻りますが、岡田くん、ステキですね。最後の方のチョンマゲは、ちょっと似合わなかったけど、それまでは完璧でしょ。演技も上手いし、なんか、良かったわぁ。坊主役の横山くんも、上手いよね。碁打のトップとしてのオーラが見えるようで、最近のジャニーズは、素晴らしいなぁって思いました。
脇を固める俳優が、これがまたすごい。松本幸四郎さん、市川染五郎さん親子や、中井さん、笹野さん、岸辺さんと、文句のつけようがない、今の日本映画界を抑える大御所たちが揃っていて、そこに、若手の実力派が入っているので、さすが、滝田監督、”おくりびと”の後、予算をたくさん出してもらえたんだなぁという感じでした。

私、本当に集中してしまい、楽しみました。すごく面白いです。特に、数学やパズルなどが好きな方には、とっても楽しめると思います。絵馬に描かれていた問題が解きたくなったもん。そして、歴史上、天文学などの使われた道具なども、面白いものが多く、この映画の内容だけでなく、天文学などにも、興味が出てきました。
私は、とてもお薦めしたい作品だと思います。映画の内容も素晴らしいですが、その学問や、描き方も、とっても人を惹きつけるようになっていて、楽しめると思いますよ。年配の方が観る方が多かったようですが、若い人にも、ぜひ観てもらいたいと思いました。楽しみながら、歴史が学べると思います。子供にも観てもらって、天文学や数学に興味を持って欲しいな。

予断ですが、こんな素晴らしい暦を作っていたのに、日本の祝日を連休にするために、月曜とかに動かすってどういう事ですかっ!!アホな自民党がやったんでしたっけ。敬老の日だって、15日だったのには、何か理由があったからなのに、適当に毎年動かしたりして、いい加減にして欲しい。全ての祝日には、必ず、歴史があり、謂れがあったはずなのに、自分達が休みたいが為にそれを蔑ろにするなんて、許されません。歴史への冒涜です。キチンと祝日は祝日の日に戻して欲しい。休みは、国に言われなくたって、取りたい時に取りますよ。迷惑です。
と言う訳で、「天地明察」ぜひ、観に行ってくださいね。