「これは映画ではない」の試写会に行ってきました。この映画は、昨年のフィルメックス映画祭で上映されたのですが、その時は、時間が合わずに観れませんでした。やっと、今回、目にすることが出来ました。
内容は、
2010年、『白い風船』『オフサイド・ガールズ』などで有名なイランの映画監督ジャファル・パナヒは、イラン警察によって逮捕される。その理由は反政府運動を含むさまざまなもので、数か月後にようやく自由の身となる。逮捕から1年後、当面の間映画製作、国外への出国、そしてマスコミとの接触を禁じられた彼は自宅での自分の姿を撮ることにする。
ドキュメンタリー映画なので、ストーリーはありません。というより、映画では無い(笑)ので、なんと紹介したら良いのでしょう。これが映画として上映されてしまうと、パナヒ監督は、刑を破ったとなり、もっと刑を科されてしまうかも知れません。日本の状況が伝わるとは思えませんが、心配ですよね。
ともあれ、このフィルムは、パナヒ監督の自宅内で取られたドキュメンタリーで、普通の生活を映しているのですが、それが、今までに無かったような、今のイランの姿を映していて、面白いんです。

まず、イランでも、”i-phone”が普及していること。あんなに荒れていても、電波が通るんですね。ビックリです。そして、結構、たくさんの人がスマホを持っているということ。それほど貧困な国ではないんですね。日本に居ると、イランという国がどういう国で、どの程度のレベルの生活水準なのかなんて、全くわかりません。それが、今回のフィルムで良く解りました。それほど日本と変わらないということです。
でも、政治が荒れていて、自由な言動などが出来ないということ。でも面白いんですよ。監督の家には、ペットのイギーが居て、自由に遊びまわっています。このイギー、イグアナくんです。(笑)とっても自由で、慣れていて、イギーは、監督登りをしたりして楽しんでいました。マジでかわいいの。監督もとても可愛がっていました。
このイギー(イグアナくん)って、監督の姿と重ねられているように思えました。だって、本当は、外で自由に好きなことをやって、自由に生きているはずなのに、ペットとして家の中に飼われ、与えられた餌を食べ、何かしたいと思ってもがくんだけど、結局は、部屋の中でウロウロしているだけ。外に出たい!虫を取りたい!=外に出て映画を撮りたいっていう風に見えました。
この感動を、なんと言って説明したら良いのか良く解らないけど、でも、映画が好きな人なら、彼の気持ちが読めるのではないかと思います。その感覚を味わってきてください。そして、イランなどの紛争地域でも、いつの日か、自由に映画が撮れるようになる事を祈って欲しいです。
ぜひ、楽しんできて下さい。
・これは映画ではない@ぴあ映画生活
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