今日は、「莫逆家族 バクギャクファミーリア」を観てきました。
ストーリーは、
関東一の暴走族のトップだった火野鉄（徳井義実）は、今では反抗期の息子・周平（林遣都）に見下される無惨な中年になっていた。ある日、ある暴行事件をきっかけにかつての仲間たちが集結。鉄の心の内側では現在を憂うとともに、昔の熱い思いがよみがえってくる。そんな中、暴行事件の裏に、暴走族時代の恨みを募らせてきた五十嵐（村上淳）の存在があることを知り……。
というお話です。
熊切監督の新作です。監督の「海炭市叙景」「ノン子36歳」を映画祭で観ていたので、淡々と描かれる中に深い心の動きがあるのかなぁと思っていたら、今回、淡々とではなく、とっても激しい展開で驚きました。原作が激しいからかな。とにかく、あの「クローズ」を大人版にしたような、すごい戦いでした。興奮したし、本当に楽しめました。面白いというより、感動したと言った方が良いかな。
若い頃にヤンチャしてた人達って、義理や人情を大切にしますよね。一緒に戦ったっていう家族としての強い絆があるんだと思います。この映画の中でも、その強い絆が、大人になっても決して崩れないということを描いていて、感動でした。友達が痛めつけられたら、全員で落とし前を着けに行くって、マジで仲間なら当たり前だと思う。最近のヤンチャな奴は、ハンパな人間しか居なく仲間も直ぐ裏切るし、て気分悪いっす。昔のヤンチャな奴は、弱いもの虐めもせず、裏切るなんて絶対しなかったんだけどね。
鉄（徳井）は、今、現場作業員として働いていて、妻と息子と暮らしています。平穏な生活だったのに、突然、仲間の娘が強姦されるという事件が起きて、昔の仲間が集結します。その事件の裏に何かあるようで、それが段々と明かされていきます。自分達の昔のヤンチャな経歴が、今の自分の家族を傷つけることになるなんて、思っていなかったんだろうけど、やっぱり、それなりの”つけ”が回って来るんですよね。
若い頃でも大人になっても、自分の行動には責任を持たないといけません。一度やってしまった事は、いつまでも付いて回るし、それは自分を形成する一部分なんだから、やった事は背負っていく覚悟で行動するって事です。未成年だからって、すべて消える訳では無いですよ。被害者は居るんだし、覚えている人は必ず居ます。情報は消えません。自分の行動を全て背負って、その分、償う人生を送らない限り、未来なんて開けません。自分の人生に勝った時のみ、誰も文句を言わなくなります。
そんな自分の過去に責任を持って、最後まで落とし前を着けるっていう”男”の話です。これをカッコイイと言って良いのか解りませんが、スッキリしました。暴力がすごいんだけどね。（笑）でもね、偉いと思ったのは、卑怯な奴らは、武器を使うんだけど、鉄の方は、必ず素手なんですよ。あ、ちょっと違うところもあるけど、でも、基本、素手なんです。偉いでしょ。やっぱり、素手でないと、痛みが解らないもんね。素手で殴ると、痛いですよぉ。骨折れそうだもん。（笑）
親子のあり方も描かれています。親の真剣な姿を見れば、やっぱり息子も親を見直します。子供だからって、適当にあしらったり、いい加減な返事ばかりしていたのでは、決して、子供も心を開きません。やっぱり、真剣に向き合わなきゃね。それは、殴ってでもです。でも、林くんの美しい顔を傷つけないで欲しかった。（笑）
徳井さんは、初主演ということで、演技はどうかなぁって思って観に行きましたが、結構、満足しました。ちょっと、え？？っていうような場面もありますが、戦う場面とか、結構、がんばっていたと思います。周りの役者も良い方ばかりで、それも良かったんだろうけどね。
今回も、新井さんが良い役で出ていました。男の友情、泣けましたよ。やっぱり、新井さん上手いよなぁ。彼が出てくると、グッと締まるんですよね。たとえ敵となっても、相手にも色々な事情があるのだというのが伝わってきて、ただ単に憎めなくなる。すごいっす。
私は、この映画、結構、お薦めしたいと思います。但し、暴力などがすごいので、子供には見せたくないかな。激しい映画でも大丈夫な方のみ、観に行ってくださいね。徳井さんと林くん、カッコイイです。ファンの方は必見。ぜひ、楽しんできてくださいね。
・莫逆家族 バクギャクファミーリア＠ぴあ映画生活
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