先日、「プリンセス・カイウラニ」を観てきました。
ストーリーは、
1889年、反王制派の反乱に危険を感じた父と共にハワイを脱出したカイウラニ王女(クオリアンカ・キルヒャー)。父親の旧友であるイギリスのデイヴィーズ(ジュリアン・グローヴァー)のもとに身を寄せる彼女は差別と偏見にさらされるが、ディヴィーズの息子クライヴ(ショーン・エヴァンス)との恋や彼の妹アリス(タムジン・マーチャント)との触れ合いを支えにして懸命に生き抜いていく。ある日、カラカウア王(オーシャン・カオウィリ)が亡くなり……。
というお話です。
ハワイ王朝の末期を描いている映画です。ハワイと言えば、カメハメハ大王がバラバラの島を一つにし、王国として統治したのが始まりです。そこから、王国制が引かれ、長く続いてきたのですが、19世紀末に、アメリカ入植者が勢力を伸ばし、南国でほのぼの暮らしていたハワイの人々を押しのけて、クーデターなどで、ハワイを自分達の自由になるように改良してしまいます。
王族の最後の生き残りであるカイウラニ王女は、クーデターから逃れ、父親の故郷であるイギリスに渡り、ハワイが沈静化するのを待っているのですが、アメリカの勢いが強く、どんどん王朝は衰退していきます。アメリカに統合され、ハワイの人々まで滅ぼされそうになるのを黙っていられず、カイウラニ王女は立ち上がります。
小さい頃から、国の事を思い、国民の上に立ち、国民を守ることを教えられたカイウラニ王女は、自分の出来る事を精一杯やり、アメリカ人の中からも、彼女の味方になる人が出てきます。彼女は、最後の最後まで戦い、ハワイ人の選挙権など、人権を取り戻しました。もし、何もしなかったら、ハワイの人々は奴隷のように扱われ、いつまでも人権など与えられていなかったでしょう。
カイウラニ王女の行動により、今のハワイがあるのですが、彼女は、その騒動の後、23歳の若さで病死したそうです。騒動での心労が祟ったのだという話もあるそうです。そして、ハワイ王朝は滅びてしまいました。
クリントン大統領の時に、ハワイ王朝を滅ぼしたのはアメリカでしたということを認めて、謝罪をしたそうですが、そういう王朝を滅ぼすというのは、罪が重いと思います。だって、歴史が無くなってしまうのですから。
日本の天皇制について、賛否両論があると思いますが、天皇というのは、日本の歴史なんです。彼らの血族が残っていることが、日本という国を形成する上で、日本の歴史を語る上で、必要な事なんです。彼らが生きているということが、歴史が本当であることの証なんです。戦争で負けた時、滅ぼされてしまわなくて良かった。君が代がどーたらとか言っている日教組のアホたち、歴史の証である天皇をないがしろにしたら、日本人にものを教える人間として失格ですよ。歴史を子供に伝える職についてはいけません。
アメリカは新しい国だから歴史は無いけど(インディアンの歴史はあるけど。)、韓国や中国、ロシアなどは、王朝らしきものがあったのに、それを滅ぼしてしまったんですよね。民族解放しても、王族は残しておかなければ、自分達の歴史が途絶えてしまうという考えは無かったのかしら。そういう象徴が無くなってしまうと、その時々にトップに立った人間によって、いくらでも歴史を変えられてしまうから、本当の歴史がどうだったのか証拠が無いんです。歴史に芯が通らなくなるんですよね。それは、すごい失敗だったと思いますよ。
話をもどして、ハワイ王朝がもし続いていれば、今の暖かな楽園というイメージにプラスして、豊かな歴史も彩られて、また違った観光の仕方などもあったかもしれないのにね。本当に残念です。
映画としては、カイウラニ王女の動きをストレートに追っていくので、ちょっと物足りないと思うかも知れませんが、王族というものを滅ぼしてしまう罪がどれほど大変な事かということが、とても伝わってきて、感動しました。歴史を伝える王族というものが、どれほど大切なものか、その民族にとってどれほど支えとなるのか、そういうことが描かれていて、良かったです。
私は、お薦めしたい映画です。観光で行っているハワイに、こんな歴史があったのかということが解り、今度行くことがあったら、歴史に関しても見てみたいなって思いました。この映画を観ると、ハワイの見方がちょっと変わりますよ。面白いと思います。もうすぐ上映が終ってしまうので、DVDが出たら、ぜひ、観てみてください。楽しんでくださいね。
・プリンセス・カイウラニ@ぴあ映画生活
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