今日は、「トガニ 幼き瞳の告発」を観てきました。
ストーリーは、
カン・イノ(コン・ユ)は大学時代の恩師の紹介で、ソウルから郊外のムジンという町の聴覚障害者学校に美術教師として赴任する。着任早々彼は校長の弟の行政室長(チャン・ガン)に、教職を得た見返りとして大金を要求される。最初から学内の重苦しい雰囲気を奇妙に感じていたイノは、ある晩、帰宅しようとして子どもの悲鳴を聞きつける。というお話です。

韓国映画なので、ちょっと今の状態で観たくなかったんだけど、内容がどうしても気になったので観に行きました。観て、結論。やっぱり、韓国という国は、お金を持っていることがすべてで、貧困層は、生きていくことも難しいんだなって思いました。どんなに悪い事をしても、お金さえあれば何でもアリなんです。すべてが、一握りのお金持ちの良いように動いていくんです。だから、慰安婦とか嘘をついて、なんとしてもお金を手に入れようとするんだろうね。
この映画の中でも、聴覚障害の子供を受け入れている施設で、幼児虐待が行なわれていて、それに気がついた新任教師が、真実を訴えていくという話なのですが、この教師も貧困なんです。施設に入っている子供は、元々貧困で預けられている子供が多く、どんなに訴えても、子供の親が買収されてしまったり、証言者や、警察など、誰もが、金持ちの院長の味方になってしまいます。

どんなに正しい訴えをしていても、覆されてしまう。こんな世の中で、世論が子供の味方にならない国ってどんな国なの?普通、誰もが正しい感覚を持ち合わせていれば、子供が性的虐待を受けているということが解った時点で、この院長たちに社会的制裁を加えるでしょ。どんなにお金を持っていても、宗教財団の偉い人でも、日本なら同じところで生活し、同じ仕事を続けるなんて出来ないでしょ。社会が許さない。
間違ったことでも許されてしまう社会、おかしいと思いませんか?韓国人は、人の事に、あまり感心が無いのかしら。それが民族性だと思いたくないです。大統領でさえ退陣後に逮捕する国なのに、どうしてこういう小さな問題は、もみ消されてしまうの?性的虐待を受けた子供が、どれほど心に傷を負うのか、解るはずでしょ。殺人と同じなんですよ。一生、その子供は苦しむの。身体の傷は癒えるけど、心の傷は治らない。本当に、許せないです。

子供の話を聞く先生が赴任してきて、本当に良かった。もし、この先生が来なかったら、障害者の子供たちは、ずーっと、教師たちのおもちゃにされて、終わることが無かったでしょう。新しい子供が入ってきても、全員、犠牲になっていったのでしょう。恐ろしいです。
日本でも、以前同じような問題があったと思いますが、加害者は逮捕され、施設は廃止、その後、そういう施設には、国の検査が入るようになっているはずなんですが、大丈夫なのかな。みんなの目が子供を守るので、自分の事だけでなく、周りの事にも気をつけて行きたいなって思います。
この映画を観て、韓国社会は、日本の昭和40~50年位の感覚なのかなと思いました。日本で言う国家公務員天国で、彼らの都合の良いように国民を誘導し、誤魔化している全盛のように見えました。まだ、言いたいことが言えない社会。

日本だって、ここ10~20年くらいで、やっと公務員改革に取り組み始めているけど、どうしても崩せないようですが、国民の思想などを誘導するようなことは、一切出来ない状態になっています。情報は飛び交い、言いたいことを誰もが言える社会になって、本当に良かった。ちゃんと良識を持って、言いたいことを言う、それは民族として、キチンとして成長をしてきたのだということを表していて、とても誇りに思います。
映画としては、訴えることを訴えていて、無駄な感情などは省き、まとまりも良く、良く出来た社会派映画だと思います。話題を、悲劇的にわざとらしく描くのではなく、淡々と、虐待の事実を描き、子供の心の動きや先生の苦悩も静かに描いていて、とても好感の持てる内容です。

私は、お薦めしたい映画だと思いました。但し、ちょっと衝撃的な場面などもあるので、こういう事が理解出来て、単館系の映画でも観ていられる人にお薦めですね。派手な映画ではないので、解って観に行ってくださいね。
「この映画の公開後、問題は再捜査されている」というコメントが出ました。本当に、最後の最後まで、罪を暴いて欲しいです。どんなに偉い人でも、お金持ちでも、犯罪は犯罪。特に、弱い子供をターゲットにしたというのは、許されません。早く、子供がしあわせになれる日が来ると良いと思います。
・トガニ 幼き瞳の告発@ぴあ映画生活
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