「だれもがクジラを愛してる。」半分ノンフィクションで送る、愛の物語。でも少し狂ってると思うな。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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先日、「だれもがクジラを愛してる。」の試写会に行ってきました。


ストーリーは、

1988年、アダム(ジョン・クラシンスキー)はアメリカ合衆国最北の街、アラスカ州バローにテレビリポーターとして派遣されていた。ある日、彼は3頭のクジラの親子が氷の下に閉じ込められているのを発見。そのニュースをテレビ局へ送ったところ、アダムの元恋人で、国際環境NGOグリーンピースの活動家レイチェル(ドリュー・バリモア)から電話が入る。
というお話です。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-クジラ4

実際にあった、3頭のクジラがアラスカ氷海に閉じ込められてしまったニュースを、実話とフィクションを交えて、映画にしたものです。3頭のクジラに、世界中の人が、ヒステリーと言っても良いほどの盛り上がりになり、本当にクジラを愛しているのか、商売になるからクジラを愛している振りをしているのか、観ているこちらも、良く解らなくなってしまいました。


だって、ほんの少しの投資で、最大の利益を上げる、素晴らしいチャンスだったんですもん。私だって、もし、この場にいたら、商売をしていたかもしれない。観ると解りますが、イヌイットの子供が、一番正直に行動していました。だれもがクジラを愛しながら、お金も愛しているということですね。(笑)


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-クジラ1

この映画、捕鯨国の日本としては、観て、良く考えて欲しいと思うのですが、イヌイットがクジラ3匹を見つけて、もう死んでしまうし、捕鯨枠も余っているから、狩って食べてしまおうとするんです。でも、長老が社会のヒステリックな状況を見て、一族を説得し、クジラを助ける方を選びます。もし、ここでクジラを捕食したら、世界から批判を受けるということに気がついたからです。


これ、どう思います?もちろん、クジラはかわいいし、助けてあげたいよね。でも、スーパーに並んでいる牛や豚、マグロやサバに対して、そういう気持ちって沸きますか?イヌイットの人達や、捕鯨をしている日本の漁師さんにとって、クジラはマグロや牛と同じなんですよね。でも、その動物たちのおかげで、自分達の生活が成り立っていることも充分理解していて、動物たちにとても感謝しているんです。そんな彼らの生活を曲げさせてまで、保護ってやる必要があるのかしら。だって、食べるだけしか獲らないんですよ。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-クジラ1

クジラ1匹を助けたら、イヌイットが10人死ぬ。イヌイットが10人生きる為に1匹のクジラが犠牲になる。どちらを選びます?1つの命と10人の命。究極の選択とは思うけど、でも、彼らの伝統を亡くさせるような事を、関係ない世界の人間が口出しをして良いものかと思うんです。もちろん、私も、動物愛護派ですよ。でもね、人の命を奪って動物を助けるのはどうなのかな。同じ命でしょ。出来ればどちらも助けたいけど、どちらか選択しなければならないなら、私は人を選んでしまうと思う。それは人間のエゴかも知れないけど・・・。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-クジラ5

そんなジレンマを抱えたまま、クジラ救出作戦は進みます。誰もがヒステリックにクジラを助けなきゃって騒ぎ、落ち着いて考えているのは、実際に動いているクジラに一番近いイヌイットとアラスカのカメラマン、アダムだけ。グリンピースのレイチェルもクジラのために動いているけど考えが偏りすぎているし、政府関係者も採掘会社の人も、みーんな、自分が大切で、本当にクジラの立場に立って考えているとは思えないんです。


クジラという生き物を中心に、色々な思惑、たくさんの人間、それぞれの考え方があり、とても考えさせられました。実際にあった事件だから、とても現実味に溢れていて、面白いですよ。これ、暑い夏に、アラスカの寒そうな風景を楽しめて、心は温かくなって、ステキな映画ですよ。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-クジラ3

私は、とってもお薦めしたい映画です。人間と自然の関わりをとても良く描いていて、色々な事が学べると思います。ぜひ、観に行ってくださいね。カメ



だれもがクジラを愛してる。@ぴあ映画生活

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