【フランス映画祭】「短編映画6作品」 今年は、全部面白かったな。特に「人間運送」に感動でした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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フランス映画祭2日目。今日は、4本観たのですが、最初は、「短編映画6作品」

6作品、全てが面白くて、考えさせられるような内容でした。大当たりだと思います。


1・「ビンそこメガネ」

ストーリーは、「近眼のアルノーが格好悪いメガネを外すと、そこにはモンスターやユニコーンなどが現れては消える変化自在な世界が広がっている。」というものです。


この映画は、アルノーという子供が、メガネをかけることによって、世界が露わに見えてしまい、それまでの彼の個性というか、曖昧に見るからこそ見える素晴らしい世界を、彼から奪ってしまったということなんです。全てを露わにして伝えてしまうより、曖昧にした方が、良い方向に行くこともありますよね。子供だからこそ持つ素晴らしい空想の世界を彼から奪って、世界をハッキリ見せてしまうのは、良い事なのかしら。とても考えさせられました。やっぱり、ある程度の年齢までは、サンタクロースが居るって思わせてあげたいな。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-短編1


2・「宇宙からの兄弟怪物の襲撃」

50年代のアメリカ。小さな町に巨大な宇宙人が出現、次々に住民を襲う。若いカップルと科学者が、エイリアン退治に立ち上がるが・・・ミュージカルとホラー、カラーと白黒のパートを見事にミックスした個性的な一本。


とってもレトロで、面白くて笑える短編でした。だって、”タコチュウ”みたいな宇宙人が、昔の人形アニメの動きで向かってくるのよ。笑えるでしょ~。何故か、主人公たちは、最初、ミュージカルの世界にいるんだけど、それじゃ戦えないって事で、アクション映画の世界に変えて、戦うんですけど、なんだか間抜けなんだよねぇ。この面白さは、文章じゃ伝わらないなぁ。超笑えます。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-短編2


3・「ラスト・ワゴン」

とある建築現場で働く年寄りと若者と移民の三人組。そこに、社長の使いが予告なしにやってくる。おそろしい相手だ。クビをかけて、三人は彼と対峙する。西部劇の意匠をかりた、現代の労働状況をめぐる寓意劇。


監督がいらしていた作品です。立場の弱い労働者と雇用者の戦いを描いています。雇われているからこそ、労働者の苦悩は終らず、いつも雇用者の言いなりになるしか無いのか、口答えしても、何とかなるのか。双方の立場の違いと、弱い立場の労働者が、どうやって戦うのか、その戦い方を楽しんで欲しいです。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-短編3


4・「踏切警手」

世間から忘れられたある線路の踏切警手を務めるおばあさん。彼女は一頭の牛とともに暮らしていた。独り暮らしの寂しさを、可愛い牛とバイオリンで紛らわせていたが、あるとき、通過する列車を止めようと思い立つ......。


いつも一人で、寂しい生活をしていたおばあさんは、なんとか、家の前を通る電車にバイオリンの曲を聴いて貰いたいと思い、色々な手をつくして、電車を止めようとするのですが、どうしてもダメ。必死で止めようと手を尽くせば尽くすほど、誰も振り向かないものなんですよね。人に聞かせようとか、欲を出してしまうと、人には伝わらないんですよ。無になって、自分が楽しむために行動した時が、一番、成功するもんなんです。とっても解るなぁって感じの映画でした。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-短編4


5・「人間運送」

フランクの家族は、一家で運送業を営んでいる。ダンボール箱とテープをこよなく愛し、仕事に誇りを抱く彼ら。ところがある日、フランクはもっとひとの役に立つことを始めようと決心し、以後、普通の荷物を持つことをやめ、人を運ぶ仕事を始める事にする。


この短編、すごく良かったなぁ。こんな商売があったら、本当に成功するんじゃないかって思っちゃいました。車の渋滞はすごいし、排気ガスもすごい。もし、人が人を運ぶようになれば、公害も減るし、ストレスも減りますよね。それに、やっぱり、”おんぶ”って、人の温かさが伝わってくるでしょ。もちろん、密着しないように、イスのようなものを背負って、そこに人を乗せるんだけど、ギュってすれば、温かさも伝わって、なんだか、とっても心も温かくなるんです。人との関わりが減っている現代人には、必要な温かさなんじゃないかなって思いました。私も、主人におんぶして貰いたくなっちゃった。(笑)


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-短編5


6・「近日公開」

アンナと出逢ったとき、フレッドの人生は恋愛映画そのものになった。ところが人里離れた新居は幽霊に取り憑かれ、いつのまにかそれはホラー映画に。......もしも人生が予告編の連続だったとしたら?


これ、面白かったぁ。あるカップルが、結婚して、色々な出来事が起きてみたいなのを、ずーっと予告編として、繋げてあるんです。この面白さも、観ないと解らないかも。とっても笑えました。こういう短編って、もっと見たいなぁ。とってもやっていることは単純なんだけど、その単純さが、短編として描くのにちょうどいいんですよね。楽しめました。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-短編6


今年の短編は、本当に面白かったと思います。ショートショートフィルムフェスティバルで、同じものを、もう一度やるようなので、良かったら観に行ってみたらいかがでしょうか。これから映画に関わって行きたい人とかは、やっぱり短編から始めると、色々勉強になって、成長するでしょ。こういう良い短編作品をみると、起承転結を短くまとめる手法などがわかって良いと思いますよ。お勧め作品です。カメ



「フランス映画祭」   http://unifrance.jp/festival/2012/