先日、「ル・アーヴルの靴みがき」を観てきました。
ストーリーは、
昔パリで暮らしていた芸術家のマルセル(アンドレ・ウィルム)は、今は港町ル・アーヴルで靴磨きをしながら生計を立てている。彼は自分に尽くしてくれる妻(カティ・オウティネン)と愛犬ライカとの暮らしに満足していた。だが、ある日妻が病気で入院した後、アフリカからの難民の少年と出くわし、警察に追跡されている彼をかくまうことにする。
というお話です。
先日、イタリア映画祭で、違法難民移民の話をたくさん観たので、この映画も、その続きのような気がしてしまいました。難民の問題は、フランスでも大きいようですね。何とかならないのかなぁ。基本的に、私は、違法移民難民は、容認するべきではないという考え方です。根本を解決しないかぎり、何も変わらないのに、逃げるだけの人々を受け入れるなんて出来ないですよ。
この映画では、アフリカから密航して逃げてきた難民の少年を、マルセルという男性が助けるのですが、そのマルセルが住んでいる小さな町の人々って、とっても温かいんです。みんな、そんなに裕福ではないんだけど、みんなで助け合って生きているという感じ。日本の下町みたいな感じかしら。そんな町で、その男の子をかくまうのですが、なんだか、そのかくまい方が、小学校で子供が”私知らないよ。”みたいな感じの態度で、笑ってしまうんです。とっても正直な人たちの集まりだから、そうなっちゃうんでしょうね。とってもかわいかったです。
その難民の少年は、とても礼儀正しく、難民とは思えないようなしっかりした子供なんです。アフリカでキチンとした教育を受けれるような子供なのに、密航して難民とならなければならないような状態なんだなということが、この子供を見ていると解ります。なぜ、内戦が収まらないのか、なぜ、同じ民族同士で戦うのか、理解不能ですが、そこには、色々な資源があり、利益を独り占めしたい人間が関わっているのでしょう。早く、自分達の手で知識を広めて、自分達が騙されて、搾取されているということに気がついて欲しいです。大国に利用されるだけの時代は、そろそろ終わりにしなければね。
マルセルは、ステキな奥さんが居て、とっても仲が良いんです。でも、妻は難病で余命が後少ししかないという状態になってしまいます。難民の男の子なんて助けている状況じゃないんだけど、でも、ほおっておけないマルセルは、妻を病院に見舞いながら、少年も必死になって助けようとします。赤の他人なのに、どうしてそれほど親身になれるのかというほどに、少年の身を案じて、お金を用意したり(マルセルはとても貧乏です。)、まるで自分の息子のように、望みをかなえてあげようとします。
自分も大変な時に、人の為に動くことの大切さ、奉仕の心というのかな、そういう、みんなで乗り切ろうという、やさしい人々の気持ちが良く表現されていて、温かくなる映画でした。辛い時だからこそ、みんなで乗り越えようっていう気持ちが、今の日本の状況と似てるんじゃないかなって思って、色々考えさせられました。ぜひ、お時間があったら、観てみてください。
すごくお勧めとは言えないけど、静かに考える映画が好きな方には、お薦めします。内容が解りやすく、しっかり完結するものが良い方には、ちょっと難しいかな。でも、とても良い映画なので、良かったら観てくださいね。
・ル・アーヴルの靴みがき@ぴあ映画生活
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