先日、演劇「シダの群れ 純情巡礼編」を観に行きました。
ストーリーは、
前作の舞台「志波崎組」は跡目争いをきっかけに、「増岡組」との抗争を激化させ、今は壊滅状態に陥っている。友好関係にある「矢嶋組」の若頭・坂本は、増岡組組長とその女・ヤスコの狙撃に失敗した部下・泊を始末する役目を買って出たが、かわいい妹・可奈子の恋心を思い、尊敬する志波崎組元幹部・水野のもとに彼を預ける。
だがこの行動はやがて、矢嶋組と増岡組、そして志波崎組との関係をも徐々に捻れさせていく。
移ろう人間関係と、その移ろいの根拠のなさに揺れる男たち。その行方に待つものとは―。
前作を観ていなかったので、ハッキリ言って、直ぐには内容が解りませんでした。始まって最初の、チンピラ同士の諍いが元で、増岡組組長を狙撃するのは解るのですが、その後、前作に出てきた人物を巻き込んだ愛憎劇があるので、その愛憎劇に絡んだ組の関係が、解らないんです。説明が一切無いので、急いで、一部が終った時点でパンフレットを読んで、理解しました。出来たら、前作の重要人物タカヒロさんの説明だけでも、最初にして欲しかったなぁ。
話としては、ちょっと昭和っぽいと言うか、極道の世界のお話なので、古い感じがするのですが、キャラクター一人ひとりは、現代の人間なので、昔のようにケジメを付けるとか、規律を守るとか、上下関係を大切にするというものが、少し崩れているようなんですね。昔なら、仁義を通すっていうのがあったと思うんだけど、そういうのが、結構、グズグズになってきていて、極道世界も、近代化が進んできているのかなと思いました。
そんな時代に、前作で殺されてしまったタカヒロの復讐をする為に、ある女が裏で動き、主人公の若頭・坂本(堤さん)を罠にはめて、組同士の関係を崩していくんですけど、この坂本さん、頭が良いのかと思いきや、どうしてそれに気がつかないの?って言うほど、純粋と言えば聞こえは良いけど、鈍いというか、アホと言うか、使えないんですよ。若頭をやっているのに、そんなにアホでどーすんの?組の先行きが心配になります。
まず、自分の部下の泊と妹が付き合っていても、別れさせようとしないところ。普通なら、自分が極道に居たら、妹とかは、そこから遠ざけようとするでしょ。付き合ってるのを手助けしてどーすんの?頭悪いなぁ。それに、ビジュアルは良いけど、性格悪い泊と突き合せないで、もう一人の吉岡くんと付き合わせたほうが幸せになるでしょ。見る目無さすぎ~!!とツッコミを入れていました。
もう一つ、泊という若造なんですが、いくら仲間の復讐だからって、相手の組の組長を狙撃しに行くって、在りえないでしょ。まず、下っ端から殺して、最後に組長じゃないの?いきなり狙撃しに行けるような組長って、どんだけ小さい組なんですか?下っ端が守ってないの?そこも、とっても不思議でした。そんな簡単に狙撃されるような組なら、潰されても仕方ないじゃん。(笑)
と、いくつもツッコミを入れてしまいましたが、これだけツッコミを入れたくなるほど、内容を理解してからは、入り込んでしまいました。だれもこれも、極道なのでカッコイイし、女達も、キレているので、面白かったですよ。笑える場面もいくつもあって、楽しめました。
堤さんはカッコよく、徹平ちゃんはかわいいけど生意気で、松雪さんは美しく、とにかく、出演者に関しては言う事無しでした。やっぱり、生で観れるって、ステキよねぇ。
一つ、気が付いたのは、、若松さんの映画はいくつも観たのですが、舞台って初めてみたので、珍しいなって思いました。他の舞台と違い、1エピソードが短いんです。何度も舞台が変わるの。他の方の舞台は、結構、長回しと言うか、一つのエピソードが長くて、舞台の入れ替えって、少ないのですが、この舞台は、バンバン、舞台の風景が変わって、人物も入れ替わるんです。私は、こういうタイプの舞台は初めてだったので、新鮮でした。面白いですね。演出する方によって、これほど違うのかと驚きました。
極道シリーズ、また、観てみたいなぁ。不幸になった人々のその後を、また舞台化してください。待っています。
もし、お時間があったら、まだ公演中なので、ぜひ、観てみてくださいね。