【映画祭】「シュン・リーと詩人」 中国移民に対してのイタリア人の感想は、日本と一緒ですね。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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イタリア映画祭の9作目は、「シュン・リーと詩人」を観ました。


ストーリーは、

中国に残した一人息子をいつか呼び寄せることを胸に秘めつつ、ヴェネチア近くの町、キオッジャの居酒屋で店員として働く移民のシュン・リー。男ばかりの職場と拙い語学力で孤独だったが、スラブ系移民で年配の「詩人」ことベピに出会い、打ち解けていく。詩情が漂うラグーン(潟)の風景とともに、育った環境も年も異なる男女の心の交流を慎ましやかに描いた本作は、昨年のヴェネチア映画祭で称賛された。チャオ・タオがシュン・リー役を好演。今冬公開予定。

というお話です。

ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-シェン2

中国からの移民のシュン・リーは、息子を中国に置いて、自分だけ先にイタリアへ移民し、その代金を払い終えたら、息子を呼び寄せることが出来るという契約らしいんです。その日を夢見て、雇い主の言うとおりに、イタリアの小さな港町の居酒屋を経営し始めます。この作品も、イタリアの移民問題を扱っているのですが、今回は、中国からの移民ですよね。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-シェン3

中国からの移民って、本当にどこにでも居ますよね。イタリアも多いそうです。日本では、同じような顔なので、それほど違和感がありませんが、イタリアでは、完璧アジア人の顔は、目立ちますよね。日本でもそうですが、中国人のイメージって自分の利益の為なら何でもやるという感じで、”強欲”というイメージがどこの国でも定着しているのだなという気がしました。だから、イタリアの港町でも、最初は恐がられているんです。何か汚いことをしようとしているハズだって思われているの。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-シェン4

そんな状況の中で、ある老人が、シェン・リーと交流を持ち始め、周りから白い目で見始められます。周りの友達達は、中国人に騙されて、お金を取られるんじゃないかと、とても心配するんです。昔からその地域に住んでいる人にとって、移民は侵略者のように思えているんでしょう。自分達の地域を、仕事を取られてしまうのではないかと、心配なんですよ。だから、簡単には受け入れられないし、移民の方も、良く思われていないのを知っているので、出来るだけ、あまり深く関わらないようにしようとしています。そんな中の、シェン・リーと老人ベーピとの交流ですから、どちらからも良く思われるわけが無いんです。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-シェン1

民族がみんな仲良く出来ればよいのだけど、民族が移動するということは、新しい地域で利益を上げようと思ってのことだから、原住民にとっては、恐怖ですよね。自分達の利益が奪われるのではないかと、不安になるのは当たり前の事。現に、イタリアでもスペインでも、移民が増えたせいで、経済状態が悪くなっているのですから。民族同士で仕事を奪い合って、デフレが進めば、当たり前の事です。本当に困りますよね。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-シェン5

なんか、いつも考えるんですけど、どうして移民するの?自分の国で頑張ってみようっていう気持ちは無いのかなぁ。確かに、ソマリアとかイスラエル近辺とか、イランイラクなどなど、紛争中の場所は、確かに逃げる為に移民になるのは解らないでもないけど、中国人は、自分の国があんなに広いのに、どうして人の国に行くの?自分の国で商売をして、世界中に売った方が儲かるでしょ。人件費も安いんだから。そこら辺が、いつも不思議なんです。日本に来る中国人、韓国人も、自分の国で、充分、商売が出来るんじゃないの?人の国で嫌がられながら商売する必要ないじゃん。今なんて、日本経済めちゃくちゃだし、原発の心配もあるんだから、自分の国で頑張った方が安全だし、しあわせになれると思うよ。


話し戻しまして、シュン・リーという移民女性と、寂しい老人が、交流を持って、良い友達として付き合っていたのに、周りの人間がそれを許さず、二人は、段々と身動きが取れなくなっていき、居場所も無くなっていきます。二人の世界と周りの世界が、同じ地域なのに、まったく違うものになっていく感じが、とても伝わってきて、移民問題の大きさを考えさせられました。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-シェン6

今年の末頃かな、公開になる予定ですので、ぜひ、楽しみにしていてくださいね。私は、ちょっと眠くなっちゃいましたが、静かに、色々な事が伝わってくる映画なので、そういう映画が好きな方には、楽しんでいただけると思いますよ。楽しんでくださいね。カメ





イタリア映画祭 2012