先日、「裏切りのサーカス」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
東西冷戦下の1980年代、英国諜報(ちょうほう)部「サーカス」を引退したスパイ、スマイリー(ゲイリー・オールドマン)に新たな指令が下る。それは20年にわたってサーカスの中枢に潜り込んでいる二重スパイを捜し出し、始末するというものだった。膨大な記録や関係者の証言を基に、容疑者を洗い出していくスマイリーがたどり着いた裏切者の正体とは……。
というお話です。
まだロシアがソ連だったころ、イギリスにもMI6というジェームズ・ボンドが居たような秘密機関があって、戦争をしない代わりに、情報戦を繰り広げていました。その時代は、誰をこちらに引き込むかという色々な取り引きがあり、一人寝返らせれば情報は筒抜け。相手の国を操れると言う訳です。そんな物騒な時代に、イギリス諜報部にもぐりこんでいるスパイがいるとの情報が入ります。そのスパイをジョージ=ゲイリーが探すということなんです。
一見、スパイサスペンス映画だと思われるでしょうが、アクションなどは無くて、心理戦がほとんど。スパイとサスペンスというより、私には、深いラブストーリーが見えました。そうです、何故だか、またもゲイの愛が描かれていて、女は二の次状態だったんです。悲しいなぁ・・・。ヨーロッパには、ゲイが多いのかしら。MI6の内部には、そういう方が多いようでした。
恋愛は自由だし、それに対して文句は言えませんが、この映画で観る限り、男女の愛より、男同士の愛の方が、より深く、相手を思いやる気持ちが強いように見えました。もしバイセクシャルの人を、男と女で取り合ったら、絶対に女が負けるだろうなって感じるほど、男同士の深い愛がスパイ戦の裏に隠されていました。やっぱり同性の方が、相手の事が良く分かるし、結びつきが強くなるのかななんて思ったりして・・・。ああ・・・、辛い・・・。
そんなゲイの愛が見え隠れするスパイの世界で、普通のオッサンのジョージは、普通だからこそ罠にハマり、最初は仕事を退く事になるんですが、そこから挽回して、4人の元同僚の中のスパイをあぶりだす為に、細かい調査をし、罠を張ります。
このスパイを探す為の調査なんですが、まるでジグソーパズルをしているように、細かい情報を一つづつ探して行き、過去の行動を思い出しながら、組み合わせて、一つの絵を描いていきます。これが、ただ映画をボンヤリ観ているだけだと、とても解り難いので、まず、人物相関図を頭に入れておいたほうが解り易いと思います。そして、あまり深読みしないこと。裏切り者のスパイは、4人の誰かなんです。二重スパイは、自分が見つからないように、予防線を幾つも張っています。それに惑わされず、敵にたどり着いて下さい。結末には、愛が見えます。
いやぁ、この映画、難解な映画が好きな方のみ観てください。頭を使わない映画が好きな方は、辞めた方が良いと思います。でも、謎解きなどが好きな方には、めっちゃ、面白いと思いますよ。些細なことが、最後の結末に繋がっているので、後から、”ああ、あそこにあんなことがあったよね。”と色々思い出して、ふふっと楽しめる作品です。私は、パズルや謎解きが好きなので、とても食いついてしまいました。もちろん、ゲイの愛の深さにも食いついて感動してしまいました。ああー、男同士の間に割り込むのは無理よねぇ・・・。女性撃沈です・・・。
・裏切りのサーカス@ぴあ映画生活
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