「少年と自転車」 大人の勝手で振り回されて、壊れていく少年の心。無意識が悪である。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

先日、「少年と自転車」を観てきました。


ストーリーは、

児童相談所に預けられたまま12歳になろうとしていた少年シリル(トマス・ドレ)は、いつか父親を見つけて一緒に暮らしたいと願っていた。ある日、彼は美容院を営むサマンサ(セシル・ドゥ・フランス)と出会い、ごく自然に彼女と共に週末を過ごすようになる。二人は自転車に乗って街を走り回り、ようやくシリルの父親(ジェレミー・レニエ)を捜し出すが……。
というお話です。

ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-少年4

フランス映画なので、スッキリ解決とかはしませんが、結構、色々な問題を提起している内容だなって思いました。


まず、主人公の少年シリルは、父親に捨てられるんです。孤児院に預けられたと思っていたのですが、父親は、親としての責任を放棄、自分では育てられないので放り出してしまったんです。それをキチンと子供に告げることなく、逃げているだけ。確かに、子供を育てるのはたいへんだと思います。特に片親だと、その苦労は倍だと思います。もし、育てられない状況に陥ってしまったとしたら、自分で、その事をきちんと子供に話して、納得させようよ。子供だと思っても、結構、成長しているもんです。ちゃんと説明すれば、大変な状況だということは理解すると思います。逃げるように放り出すのは、最低の大人のやることだよね。許せなかったな。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-少年5

そんなシリルは、父親を探している時に知り合った女性に、週末だけ里親になって欲しいと頼みます。サマンサというその女性は、シリルの気持ちを知り、快く里親として、週末に彼を迎え入れることにします。でも、里親になるのも難しいですね。観ていて、彼女の苦労がすごく解りました。今まで、全く知らなかった子供を、いきなり預かるのだから、最初から上手く行くわけ無いし、段々とひずみも出てきます。そのいくつもの山を乗り越えて、本当の家族になれるのでしょうね。

ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-少年3

色々な事件が起こっていくのですが、子供が起こしたことでも、元はすべて大人が悪いんです。観ていると解るのですが、子供は、本当に素直で、大人のいう事を素直に信じてしまうんです。大人同士なら、常識から言って、それはダメでしょとか、相手があることだから、上手く行かないとか、色々想像するのだろうけど、子供は、まだ何も経験していないんです。だから、言われたことが正しいと思ってしまう。そして、それを素直に行動に移してしまうんです。子供と付き合うときは、そういう事を良く考えて、言葉を使っていかないと、大変な事件になってしまったりするんですよね。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-少年1

この映画は、子供の行動を追っているように見せて、大人が子供に対して、どれほど無意識に酷いことをしているかということを描いているように思えました。子供は本当に純粋なんです。大人のちょっとした言葉で、直ぐに壊れてしまう。いつも気をつけろとは言わないけど、子供だって人間です。経験が少ないだけで、同じ人間なのだから、彼らを尊重して、正しい事と悪い事を解りやすく教えていかないと、壊れたまま大人になってしまいます。未来を良くするために、私達も、もっと頭を使って、子供達と接していかないとね。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-少年2

私は、この映画、単館系の考えさせられる映画が好きな方には、お薦めします。アクションなど、スッキリするような映画が好きな方には、ちょっとお薦め出来ないかな。考え込んでしまって、一切、スッキリしないので、落ち込んでいたりするときも、辞めた方が良いかも知れませんね。
子供と接する方は、ぜひ観て欲しいと思いました。楽しんでくださいね。カメ



少年と自転車@ぴあ映画生活


少年と自転車 - goo 映画
少年と自転車 - goo 映画