先月末、アカデミー賞の発表があり、フランス映画の「アーティスト」と「ヒューゴの不思議な発明」がいくつも受賞していました。アーティストは、サイレント映画、ヒューゴは、1930年代のパリが舞台で、映画の初期のことが描かれています。
この二つを見ていて、最近のハリウッドは、リメイクとか、続編ばかり作っていて、もう息切れしてしまい、昔の単純に楽しめた映画時代の残り香を肺一杯吸い込んだのではないかと思いました。
確かに、映画を観ていると、ネタ切れしていますよね。どの映画を観ても、展開、アクション、感情など、同じものを描いている事が多いです。いつも、”あれ、どこかで観たなぁ。”って感じなんです。そんな状態を、アカデミー賞の会員たちも気がついているのではないでしょうか。だから、今年のアカデミー賞は、そんな観た事のある作品を避けて、昔観て楽しんだというような映画に、気持ちが行ってしまったのではないでしょうか。

私は、古い映画をほとんど観たことがないので、アーティストを観たら、斬新な感じがするだろうし、ヒューゴを観て、昔の映画は、こんな風に楽しんで作っていたんだって思って、ステキだなって思いました。昔の映画には、とても夢があったし、人間の温かい部分を、キチン捕らえて、描いてくれているように見えました。それは、セリフが無いから解りやすく描いただけなのか、それとも、昔の人々には、日本で言う「人情」というものがあったのか、それは解りません。でも、時代が進んで、人々の心が荒廃してきている今こそ、古い、温かいものを望んでいるのかも知れません。
このように、昔に戻ろうとする傾向が見られるということは、そろそろ映画業界も衰退の域に入ってきているのかなって思ってしまいました。人間が生み出して、発展させてきたものって、歴史的に観ると、必ず、原点回帰を唱え始めると、どんどん力が衰退し、滅亡に向かって突き進むんですよね。そして、一度、小さな灯火となったところから、大きく復活を遂げるという、まるでフェニックス=火の鳥のような蘇りの経路を辿るんです。そんなことを考えると、ちょっと、3Dとかにハマり、レトロな方面に曲がってきている現在は、心配な雰囲気ですよね。
映画の題材に関しても、サッチャーとかマリリンとか、歴史上の人物を描くことが多くなり、新しいアイデアはあまり見られません。うう~ん、ちょっと心配だなぁ。
とりあえず、新しいことを考える、アイデアを出すなど、人のやったことに感じるのではなく、自分で考えるということが必要なのではないかと思う今日この頃です。
P.S: ルミネの10%オフが始まり、”アフロ田中”を全部そろえてみました~!!あまりの面白さに、もう、お腹の皮が痛いです。どうして、こんなに、このマンガ、面白いの?もー、やめて欲しい~!!\(^o^)/