今日は、「はやぶさ 遥かなる帰還」を観てきました。
ストーリーは、
2003年5月9日、鹿児島内之浦宇宙空間観測所。小惑星探査機「はやぶさ」を搭載したM-Vロケットが発射された。緊張の面持ちで見守っていたプロジェクトマネージャーの山口教授(渡辺謙)は、さまざまな思いを巡らせながら、これからスタートする壮大なプロジェクトに対し、決意を新たにしていた。そして2005年、小惑星「イトカワ」の姿をとらえたはやぶさはタッチ・ダウンに成功するも、化学エンジンの不良、姿勢制御が不能に陥るなどのトラブルに見舞われてしまう。
というお話です。
はやぶさの映画、2本目です。同じはやぶさをどう描くかというだけで、話は一緒なんですよね。はやぶさの軌跡なんですから。でも、この映画には、ちょっと面白い仕掛けというか、面白い視点で描いているところがあり、とても楽しませていただきました。
山口という、はやぶさの統括責任者を渡辺さんが演じていて、彼を中心に描いていく映画なのですが、ここで面白いのが、JAXAという公的団体職員の藤中(江口さん)と民間会社NECのエンジニアである森内(吉岡さん)の関係です。よく描かれていませんが、この二人は、学生の頃は同じところで研究をしていたのかと思うのですが、卒業し、一人は公的機関で税金を使い、一人は民間企業で利益追求が主な仕事となったと思うんです。
この二人の描き方が、とても対照的で、上手いと思いました。もちろん、みんなで同じ目的を達成する為に頑張っているのですが、半公務員の藤中を観ていると、その考え方にイライラしました。だって、目的を達成するのは重要だけど、先の事を一切考えていないんです。仕事をしたら、必ず利益を出し、先の仕事に繋げるというのが、民間の会社にいる人間には当たり前の事です。その仕事だけで終ってしまったら、そこで会社終わりなんです。みんな食いっぱぐれちゃいますよ。公務員はのんきなもんです。そんな考え方の違いが、とても良く描かれていました。
はやぶさを飛ばす為に、のんきな準公務員のおっさん研究者と、必死で利益に繋げたいと思う民間会社の研究者が、こんなにがんばっていたのだということが解って、素晴らしいと思いました。民主党の仕分けで、廃止にされそうだったけど、されなくて良かったよぉ。でもね、夢も大切だけど、夢だけじゃ食べていけないんだから、やっぱり、素晴らしい研究をして、それを誰にも作れない程に高め、海外に売るということも考えて行って欲しいなって思います。
それにしても、はやぶさ、こんなにたくさんの人の思いを受けて、きっと”憑神”になっていたでしょうね。きっと、自分で色々考えたりしていたと思うよ。もちろん人間が操作をしていたのだと思うけど、でも、帰って来れたのは、彼自身の努力もあったんじゃないかな。みんなの”帰って来い”って声が聞こえて、やっぱり帰りたいって思ってくれたんじゃないかしら。だからこそ、たくさんの困難な問題もクリアして、戻ってきたのだと思います。ステキですよね。
なんか、前の”はやぶさ”とはちょっと違う感動を与えてくれました。同じはやぶさのことを描いているけど、でも、描いている観点が違うので、楽しめますよ。大人には、この”はやぶさ”の映画の方が面白いと思えるかも知れません。ぜひ、お時間があったら、観に行ってみてくださいね。
・はやぶさ 遥かなる帰還@ぴあ映画生活
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