「アニマル・キングダム」を観てきました。
ストーリーは、
メルボルンに暮らす17歳の少年ジョシュア(ジェームズ・フレッシュヴィル)は、母親の突然死により祖母ジャニーン(ジャッキー・ウィーヴァー)の家に引き取られる。しかし、その家の家族たちは凶悪犯罪で生計を立てるならず者ばかりで、祖母自身が裏ですべてを仕切っていた。やがてジョシュアは、一家の壊滅を狙う警察と家族のきずなとの間で板挟みになっていく。というお話です。

恐ろしくて、悲しい映画でした。野生動物の中では、身を守る為、力の強い者がリーダーとなり、その一族を統率する。そして、年を取り、力を無くしたリーダーは、若い者にそのリーダーの座を奪われ、ただ消えていく。それが自然の摂理です。主人公の青年が生きている環境も、野生動物の世界と同じで、力のある叔父がリーダーとなり、すべてを仕切っていました。それは、黒いものも白と言わせるような、そんな強引な環境です。

この一族は、悪事を生業としており、強盗や殺人など、酷いことをやってきました。祖母は、それを見て見ぬ振りで、自分の長男をネコかわいがりしています。本当にバカッ母とは、こういう母親のことを言うんだろうなという典型ですね。最悪の家族です。
主人公のジョシュアは、この野生家族の中にいきなり放り込まれ、その中で、自分の居る場所を模索し始めます。頼れるのはこの家族だけだし、高校生のジョシュアには、どうすることも出来ず、ただ、犯罪に手を染めていく家族に巻き込まれることしか出来ません。そんな時、警察の手が迫り、少しづつ、家族の力のバランスが狂って行きます。
ジョシュアは、社会的に正しい事をした方が良いのか、血の繋がる家族の為に動いた方が良いのか、悩みます。あまりにも酷い家族だけど、高校生の自分では一人で生きていくことは出来ず、家族というものが必要だということは、イヤというほど解っているのです。そして、最後にジョシュアが選んだ結末とは・・・。すごい衝撃的なラストに、野生のライオンを思い出すことでしょう。
それにしても、この家族の長男、酷いです。どこまでも極悪で、自分の思い通りに行かないと、決して許さないんですよ。そんな長男を、いつもかわいがり、お前の好きにしなさいと言って育てている母親は、もっと極悪ですね。母親ならば、自分の子供が悪い事をしたら叱らないと。もし、それでも止めないなら、命を架けて、自分の責任で息子に決着をつけなければいけないと思います。他人に迷惑をかけるような子供に育ってしまったなら、それは、母親の責任です。自分が作ったものには、最後まで責任を持ちましょう。
ガイ・ピアースが、警察として出てきます。彼がジョシュアを正しい方向に向けようとしてくれるのですが、いやぁ、上手いです。普通なら、この警官と一緒に正しい道に向かうのでしょうけど、作り方が上手いです。そういう道を辿るのねという、驚きの展開を見せます。面白いですよぉ。
ダークでハードな内容なのですが、展開がとても面白いので、私はお薦めしたい作品ですね。一筋縄では行かない、この一族の動きは、正に、野生のライオンたち。観ていて、ハラハラ、ドキドキと、驚きの連続です。ぜひ、ご覧になってください。最後に、スゲーって思いますよ。
・アニマル・キングダム@ぴあ映画生活
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