今日は、「デビルズ・ダブル－ある影武者の物語－」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
家族思いの青年ラティフ（ドミニク・クーパー）は、ある日サダム・フセイン大統領の息子ウダイ（ドミニク・クーパー）に呼び出され、影武者になるよう命じられる。同級生だった高校時代から2人は似ていると評判で、一度は断るラティフだったが、家族の命と引き換えに強制的に影武者を引き受けることに。理不尽な運命に必死で耐えるラティフは、いつしかウダイの情婦サラブ（リュディヴィーヌ・サニエ）と心を通わせていく。
というお話です。
サダム・フセインの長男って、キチ○イだとは言われていたけど、こんなんだったんですね。でも、映画では私が読んだり聞いたりしていたよりは、惨酷では無かった様に思いました。噂では、人間を人間と思わず、トンでもない拷問やお遊びをしていたとの話だったけど（公には書けないような事です。）、さすがに映画では描けなかったのかしら。ま、抑え気味の奇行ですが、典型的な独裁者のアホ息子でした。
そんなフセインの長男、ウダイの影武者として選ばれてしまったラティフは、国内に住む家族を人質に取られたと同じ状態で、無理やり働かされることを強要されます。ウダイは、姦りたいと思ったら誰でも姦る、邪魔だと思ったら誰でも殺す、全てが自分の思い通りに出来る人間です。そんなウダイの影武者として生きるというのは、普通の人間だったら、精神的に壊れてしまうでしょう。キチ○イと同じように生きろだなんて、無理ですよ。本当にかわいそうでした。
それにしても、どうしたらこんな人間が出来上がるのかしら。親はどういう育て方をしたのかな。フセイン自体もキチ○イ同然だから、仕方ないか。親がそうなら、子供もそうなりますよね。側近が良ければ、教育したんだろうけど、だれもが独裁者を恐れていて、何も出来なかったんだろうなぁ。いやぁ、バカっ親の子供はキチ○イというのを見てしまったので、今、北朝鮮がどうなっているのか、恐ろしいです。だって、新しいトップもこの長男と同じ状態でしょ。何やっても許されていたんだろうから、同じですよね。
でも、恐ろしい事を言うようだけど、私、このウダイの気持ち、ちょっと解る気がするんです。だって、子供の頃から、目の前で父親が部下を拷問して、最後に殺すところを見てきた訳でしょ。それに父親が女をたくさん囲って、姦り三昧しているのも見ている訳だから、そりゃ、それが悪い事だとは思わないよね。お父さんがやっているのを、そのままマネしているだけ。母親が怒れば良かったんだけど、イスラム世界での女の地位は低いから、諦めてしまったのかも。考えてみれば、可哀想なウダイなんですけどね。
いやいや、一番可哀想なのは、そんなアホな家族の犠牲になったラティフですね。本当に観ていてかわいそうだと思うと思いますよ。酷いです。抵抗出来ないんですから。やっぱり、独裁政権は許しちゃいけないなって思います。
映画の中に、イラク戦争やクウェート侵攻の本当の映像が組み込まれていて、本当にあったことなのだと思い知らされます。ＴＶでイラク戦争のニュースを観たときは、映画のようだと思いましたが、実際に映画であの映像を観ると、恐ろしいことだと思いました。あの爆弾一つ一つで、たくさんの人間が死んだのです。イラクも悪いけど、一方的に最新鋭の武器で叩き潰すアメリカも、どうなのかなぁと思いました。
そうそう、ウダイとラティフを一人二役演じたドミニク・クーパー、ステキです。悪としてもカッコいいし、優しい男としてもカッコいいし、なんとも匂ってきそうな雰囲気が、肉食系男の魅力バリバリでした。私も一緒に逃げたいわぁ～！！これからの彼の活躍が楽しみです。
この映画、面白いです。世界の歴史を観るのに、とても役に立つと思います。独裁政権とは、こういうものだというのが解るのですから。映画としても、起承転結がキチンと出来ているし、楽しめると思います。あ、でも、グログロ（内臓出ます！）場面と、エロエロ場面があるので、そういうのがダメな方は止めてくださいね。実際の戦争での被害の映像も出ますので、やっぱり善悪がキッチリ解っている大人のみ観て欲しいです。
私は、お奨め映画です。現実に起こった戦争と、現実に居た独裁者の話なので、二度と戦争が起きないように考える為にも観て欲しいです。
Ｐ．Ｓ 私は、結構、内臓が出たり、変なトコを撃たれたりという場面で笑ってしまいました。それ出るの～とか、そこ撃つの～とか、ついホラーのノリで笑ってしまったの。不謹慎でスミマセン。（笑）
・デビルズ・ダブル －ある影武者の物語－＠ぴあ映画生活
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