「ブリューゲルの動く絵」 美術館で絵画を楽しんでいるような映画って、初めてです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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今日は、「ブリューゲルの動く絵」を観てきました。
いやぁ、あまりにも美しい映画で、久々に映画のパンフレットを購入してしまいました。


ストーリーは、

16世紀のフランドル、農村の朝はのどかに始まった。仔牛を売りに出かける者、風車を回し小麦を挽く者。この穏やかさとは対照的に、異端者たちを残忍に迫害する支配者の姿があった。アートコレクターのヨンゲリンク(マイケル・ヨーク)は画家・ブリューゲル(ルトガー・ハウアー)に、この様子を表現できるかと問う。するとブリューゲルは、周りの世界の動きを止め、そこに過去からキリストや聖母マリア(シャーロット・ランプリング)を呼び戻した。聖書の「十字架を担うキリスト」の物語が始まった…。

というお話です。

ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-ブリュー2

はっきり言って、ストーリーを追って行く映画と思って行くと、解らないうちに終ってしまうと思います。どちらかと言うと、アートムービー、フィーリングムービーというのが合っているのではないかと思います。きっと、美術館とかに通う方は解ると思うのですが、美術館で気に入った絵があると、そこで立ち止まって、ゆっくり何も考えずに、その絵と向き合いますよね。そんな雰囲気なんです。

ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-ブリュー4

ブリューゲルという画家は、農村の風景を書くことが多かったようですが、彼の生きた時代は暗かったようで、スペインの支配を受けていた村の苦しみを、宗教画に例えて表現することもあったようです。今回の映画は、十字架に架けられる前のキリストを描いていて、その受難を、今、村が受けている迫害と重ねて描いたようです。

彼の絵は、本当に細かく描かれていて、遠近法がとても強く使われているので、それを映画の中でも描いていました。デフォルメ(誇張)して近くと遠くを描くことによって、3Dの画像のように見えるんです。大画面で観ていて、とても不思議な感じでした。そして、背景の窓の向こうに見える風景なども、本当に美しいです。映画を観ているのに、一枚一枚の絵画のようなんです。

ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-ブリュー3

この映画、映画祭で、たくさんの賞を貰い、色々な美術館で上映されているという記述を観て、分かるなぁって思いました。だって、本当に映画というより、美術館なんですもん。映画を観に行くと思って行くと、ダメでしょうね。映画ファンからは、ダメだしされるかもしれません。でも、美術好きには、たまらないと思います。私は、この映画、癖になりそうですもん。美しいものを観るというのは、こういうものなんだって感じられます。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-ブリュー5


インテリになれとは言いませんが、ちょっと知識を上げたいと思ったら、ぜひ、この作品は観るべきだと思います。映画を観ながら、美術の観方も勉強出来るし、美術入門が出来ると思いますよ。一つの絵でも、たくさんの物語が描かれているんです。たくさんの人間の生活が描かれていて、そこにストーリーが一つづつあるんです。映画は、ストーリーを解りやすく見せてくれますが、絵画は、自分から読み取らなければなりません。この映画は、そんな絵画と映画を融合させた、とても面白い試みをした作品だと思います。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-ブリュー1


映画好きとか、映画玄人と思っている方は、必ず観るべき作品だと思います。いつも映画を観るときは受身だと思いますが、この映画は自分から探りに行かなければなりません。passive ではなく、active なんです。こんなに面白い感覚が味わえる映画なんて、珍しいですよ。カメ

ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-ブリュー6
ステキなパンフレットなので、購入しました。グッズも欲しかったなぁ・・・。買いに行こうかしら。



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