今日は、「ヒミズ」の試写会に行ってきました。あまりの衝撃作に、パワーを吸い取られました。すっごく疲れる映画です。ショックでした。
ストーリーは、
どこにでもいる中学3年生の祐一(染谷将太)の夢は、成長してごく当たり前のまっとうな大人になること。一方、同い年の景子(二階堂ふみ)の夢は、自分が愛する人と支え合いながら人生を歩んでいくことだった。しかしある日、2人の人生を狂わせる大事件が起き……。
というお話です。
これ、ヴェネチアで俳優賞を貰ったの、解ります。だって、だんだんと、二人のみ人間に見えて、二人以外は、怪物いや化け物に見えてくるんですもん。狂ってる・・・。この映画の恐ろしいところは、普段、日常の日本の生活を描いているように見えるのですが、何か違和感があって、途中で、あれっ?と気がつくんです。そう、どの人間も、人間じゃなくて、化け物なんです。人間としての基本に必要な心が消えているんです。
3.11の震災で、たくさんの物を失い、打ちひしがれて下を向いていたけど、段々と上を向いて、心を取り戻し、復興し始めている人々が居るにも関わらず、震災に合わなかった首都圏や南半分の人間の心がどんどん崩壊し、下を向いてささくれ立っていくという、なんともトンでもない状況を静かに描いています。本当に恐ろしい・・・。
まず、ヒミズってどういう意味かと思ったら、”日を見ず”=ヒミズなんですね。だから、モグラのことなんです。明るい未来を見たいのに、日を見ることが出来ないという、主人公の住田くんと、同級生の茶沢さん。確かに彼らの状況は最悪です。親が最悪なんです。
こんな親、絶対に許せないっ!!どうして自分達の子供にこんな事が出来るんだろうか。子供が欲しくないなら、どうして産むの?どうして作るの?頭悪すぎる。もし、どうしても出来てしまったら堕ろすか、産まれてしまったら、どこかに預けようよ。今も、本当に毎日のように、子供の虐待のニュースがありますが、どうしてそういう事になってしまうのか、考えられません。一度でも虐待をした人間は、性器を不能にするとか出来ないんですかね。人権とか言うけど、殺された子供の人権はどうなるの?子供だって人間で、権利があったんですよ。ニュースを聞く度に憤慨しています。
そんな親を持ってしまった子供は、なんとか成長出来たとしても、それまで幸せを与えてもらっていないから、どうやって陽を見たらよいのか、未来を見たらよいのか解らないんです。どうしても、先の事に期待が持てない。それは仕方ないですよね。でも、そんな時に、人の助けがあれば、もしかして、少し”陽”が見えるようになるのかもしれない。そんな映画です。
結構、途中で笑えたり、面白いところもありますが、全体的に、心を折るような、辛い事が続きます。日本人って、そんなに酷い人ばかりだったかしら・・・って思ってしまいました。
この映画を観て、人間はこんな奴ばかりじゃない。日本人は必ず、サムライの心を思い出して、復活出来るのだって思ってください。人の物を盗むのは当たり前、盗られる方が悪いという考えは、近隣のアジア圏の国の考えです。日本は、そんな国ではありません。人の物を盗むのは悪い事です。人を傷つけるのは悪い事です。子供を虐待するなんて、動物でもやりません。今一度、本当の日本人として、復興しましょう。人間が復活出来ないと、社会は復活しません。お願いだから、優しい気持ちを思い出してください。
とても”ササくれた”、渇いた心を見せられるので、観た後、すごく疲れます。この映画を観る時は、この映画のみを観る予定にして、観に行ってください。本当に辛くなります。この映画を観た後、ラストの先を考えてみてください。すごい悲劇です。立ち直れません。その場では、ショックで涙が出ませんが、後からジワジワ悲しくなります。