「永遠の僕たち」 死を目の当たりにしなければ、受け入れられない事もある。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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今日は、「永遠の僕たち」を観てきました。


ストーリーは、

交通事故によって両親を失い、臨死体験をした少年イーノック(ヘンリー・ホッパー)のただ一人の友人は、彼だけにしか見えない死の世界から来た青年ヒロシ(加瀬亮)だけであった。他人の葬式に参列するのが日常的なイーノックは、ある日、病によって余命いくばくもない少女アナベル(ミア・ワシコウスカ)と出会う。
というお話です。

ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-永遠5

とても美しくて、優しく包んでくれるような映画でした。交通事故で死を体験したにもかかわらず、死というものを理解出来なかった少年と、死というものを目の前にしながらも、静かに受け入れることが出来る少女が出会うことにより、静かに、生きるということと死ぬということを理解していくという、透明な空気が流れる映画でした。

イーノックは、死というものを体験したにも関わらず、親の死に目にも会えず、死というものが理解出来ていないんです。良く、小さい子供が死というものを理解出来ずに、”いつ帰ってくるの?”とか聞きますよね。そんな風に、両親の葬式にも埋葬にも関われなかったせいで、死を受け入れられていないんです。だからこそ、死を恐れているんです。その目の前に、アナベルという、死を目の前にした少女に出会い、少しづつ死を受け入れて行きます。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-永遠3


死というものは、誰も経験したことが無いし、死んだらどこに行くのかも分からない。だから、死というものにぶつかると、とても不安になるし、なんとも受け入れがたくなると思うんです。でも、少女アナベルは、それを静かに受け入れているんです。最初は、諦めの気持ちが少しあるのかなと思ったのですが、彼女は、イーノックと出会い、恋をして、静かに死を受け入れて、未来に希望を託して行きます。

ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-永遠2

そしてこの映画には、もう一人、重要な人物、何故か幽霊の日本兵ヒロシが出てきます。彼の存在は、死を受け入れられないイーノックの心が、死というものを認識する為に作り出した幻影だと思うのですが、この彼が良いんですよ。ヒロシは、特攻隊の一員だったようなのですが、その無念の悲しさを目に湛えていて、言葉では言わなくとも、生きているなら幸せをかみ締めなさいと言っているようで、本当に、この映画の核心を彼が訴えていて、素晴らしいなぁって思いました。

この3人が3様の立場で、それぞれ未来に向けて動いて行く、いや、心が動いて行くという感じで、この映画を観ていると、こちらも、死というものが来るまでに、精一杯、生きていることを楽しめたら良いなと思えます。死を不安に思って逃げるばかりではなく、限りある命を大切に、今は楽しもうと思える、未来を期待させるような映画で、ステキでした。

ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-永遠4

今年の震災で、結局、行方不明のまま、お葬式を済ませた方もいらっしゃると思います。この映画のイーノックも同じように、両親は死んだと言われて、お墓はあるけど、本当にそこに両親が眠っているのかも理解出来ず、とても苦しみます。死というものは、その事実を目の当たりにしなければ、納得出来ないのだと思います。それを無理に納得しろと周りが言っても、無理ですよね。時間をかけて、ゆっくり納得していくしか無いんです。受け入れるのに時間はかかるかもしれないけど、周りの人間は、静かに一緒に待ってあげることが、大切なのだと思います。

ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-永遠1

この映画、私は、お薦めしたい映画です。でも、アクションとか、コメディとかが好きな方には、ちょっと物足りないかも知れないですね。静かに、心に沁みてくる映画なので、そういう映画が好きな方は、ぜひ、行ってみて下さいね。カメ



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