【東京フィルメックス】「CUT」 映画に取り付かれた男が、その望みの為に身体を張る。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

東京フィルメックスで、「CUT」を観てきました。


ストーリーは、

若い映画監督、秀二。兄から援助を受けて映画を自主製作していた秀二は、ヤクザの事務所に呼び出され、兄が亡くなったことを知らされる。兄は秀二の製作資金のためにヤクザの金に手をつけていた。返済を迫られた秀二は、成り行きの末、"殴られ屋"となって金を稼ごうとする......。

というお話です。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-CUT2

この映画、映画好きには、必見だと思います。特に、”映画とは”とか、”ホンモノの映画と偽物の映画”とか、難しい事を言われると私は困っちゃうんですが、こだわりのある方は、ぜひ観た方が良いと思います。でも、良い映画とか、本物の映画って何?私、この映画はステキとか、面白いとか、感動するとか、考えさせられるとかは解るのですが、本物って言われると、自分が偽物みたいなモンだから、解らないんです。困ったなぁ。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-CUT4

主人公の秀二は、映画が好きで好きで、現代のシネコンや、ハリウッドで生産される映画を嫌っています。本当の映画とは、こういうものだというこだわりがあって、本当の映画を、自分の住んでいるビルの屋上で上映したりしているんです。普通に生活している私から見ると、なんでそんなに熱くなってんの?って思えて、よく言う”変人”かなって思いました。でも、話が進んでいく内に、変人ではなく、映画が好きで好きで、とても誠実に映画に取り組んでいるから、変に見えるんだなって解ってきます。


そんな秀二に、兄が死んだという知らせが来て、借金が1200万強あるということが判ります。それを何日かで返さなければ命で返済しろと言われ、追い詰められた秀二は、殴られてお金を貰うという”殴られ屋”を始めます。来る日も来る日も、やくざの事務所で殴られて、お金を返済していくのですが、もう、ボロボロになるんです。そして、殴られても倒れない為に、ずーっと殴られている最中、好きな映画を復唱していくんです。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-CUT3


これが、もう、すごい迫力で、西島さんもQ&Aの時に、演じている時に、あまりに追い込まれてトランス状態に入ってしまい、非常に辛かったとおっしゃっていたのですが、観ているこちらもトランス状態に引き込まれて、息苦しく、辛くなりました。本当に、スゴイ場面です。楽しみにしてくださいね。


この”CUT”を観て、ああ、こういう映画が本当の映画っていうのかなって思ったのは、話としては、主人公があっち行ったりこっち行ったりする訳ではなく、一所で一つのことをやっているんです。描きたいことをじっくり描きこんで、ブレないということなんです。あれもこれもってやらないで、本当に一つを、追い込んで追い詰めて描いている。すごいと思いました。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-CUT6

私は、あまり難しい事は解りません。でも、この映画が、私を引き付けて、決して話さなかったということです。最初から最後まで、映画の中にグイグイ引き込まれました。観客を追い込んでくるって、なんだよっ!!って思うほど、驚いた作品です。


出演している西島さんも常盤さんも、映画に入り込んでトランス状態でしたとおっしゃっていた通りの作品です。失礼ながら、アミール・ナデリ監督って、すごいんだなぁって、心底感じました。ナデリ監督、普段はとってもお茶目なオジ様で、すごくかわいいのに、こと映画になると、恐ろしいんでしょうね。今回、自分の好きな映画を組み込んで、好きなように作れたと思うので、ご自分でも満足されているのではないかと思います。

ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-CUT5

この映画に出てくる、本当の映画100作(本当は103作あるそうです。)、ぜひ、公式サイトとか、何かで公開して欲しい。映画観ているだけじゃ、覚えていられないんですけど、ぜひ、100作、観てみたいと思いました。映画好きと良いながら、古い良い映画を知らないのが、悲しくなってきました。ぜひ、関係者の方々、お願いします。リストにして、公開してください。m(__)m


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-CUT1


この映画、やっぱり、ぜひ観て欲しいと思います。私は、すごくお奨めです。それこそ、娯楽としてキャーキャー楽しむ映画も良いですが、こういう、観客を飲み込む映画も、味わってみてはいかがでしょうか。考え方変わります。公開は、今年の12月17日です。順次全国ロードショーだそうです。お楽しみにね。私も、横浜に来たら、ぜひ、もう一度、観てみたい作品です。カメ



東京フィルメックス     http://filmex.net/2011/



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