【東京フィルメックス】「モンスタークラブ」 社会を捨てたと思っていた男は社会と一番繋がっていた。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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東京フィルメックスで、「モンスタークラブ」を観ました。


ストーリーは、

現代社会を捨て、雪山の小屋で自給自足の生活をしつつ、企業やテレビ局に爆弾を送り続けている良一。時おり山小屋を訪れる妹のミカナだけが良一と現実社会の接点である。ある日、良一は奇妙な"怪物"と森の中で遭遇する。それから、毎夜のように"怪物"が、そして死んだはずの家族たちが小屋に現れる。首相に最後の爆弾を送った夜、自殺した兄が現れ、良一を闇の扉の向こうに導く。そして、良一は自分の家族の隠された真実を知る......。

というお話です。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-モンスター3

社会から隔離された山奥に住んで、爆弾を作って、有名どころに送りつけることを続けているリョウイチ。社会は嫌いだと口では良いながらも、社会にかまって欲しいから、こんな事を続けているのではないかと思いました。そんな矛盾した生活を一人でしていれば、もちろん、ノイローゼっぽくなりますよねぇ。ちょっとおかしくなっちゃうの当たり前ですよね。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-モンスター2

で、彼の前に変な怪物が現れてくるんですけど、最初、白いものを全身に塗りたくっているんです。雪山でのことなので、雪がくっついているってイメージなのかなぁなんて思っていたのですが、その後、すごく面白いものがっ!!なんと、山小屋にレディ・ガガが現れます。(笑)ウソです。肉巻き人間が現れます。なんでそこで肉巻きなの?って思って、Q&Aで聞きたかったんだけど、みなさん、マジメな質問ばかりで、こんなアホな事にこだわってしまった私は、恥ずかしくなって聞けませんでした。(笑)それまでは、真っ白なものを塗りたくってたのに、いきなり肉巻きですよ。中はアスパラですか?って突っ込みたくなりました。だって、色が牛のバラ肉だったんだもん。その肉巻きが出る前は、鹿のステーキを焼いている場面だったのですが、だからかな・・・。う~ん。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-モンスター4

そんなくだらない事にこだわった私をよそに、話はどんどん深みにハマっていきます。リョウイチはの前には、頻繁に怪物=兄や弟が現れるようになります。兄のユキ(窪塚さん)は、父親が死んで、会社を継いだ後、自殺をしたという事なのですが、亡霊と語り合いながら、その死の意味を理解していきます。そして、自分が兄には近づけないのだとという事も解り、今まで自分が山にこもって何をしていたのだと気がつきます。


家族がいなくなり、自分が一人で山にこもらなくてはならなくなったのは、社会のせいだと考えていたリョウイチは、色々な事に気がついていくという内容なのですが、リョウイチの気持ちがじんわりと伝わってきて、観ていると、こちらの脳をぎゅっと鷲づかみにされているような、そんな息苦しさと、人間の悲しさを感じました。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-モンスター1

家族が死んでも、いつでも傍にいるように感じてしまうことってありますよね。いつの間にか、話しかけていたり、何かを考えるときも、あの人ならどう思うかなとか、自分の中には生きているから問いかけてしまうんです。でも、このリョウイチの前に現れてくる家族は、そういう温かいものとはちょっと違うように思えました。それは、リョウイチの心が、あまり家族に近くなかったからなのかなと思います。でも、一人きりになって、段々と色々な事が解ってきて、家族が亡霊として目の前に現れるようになってきたのでしょうね。不思議なことです。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-モンスター5

ちょっと不思議な映画だったけど、じんわり心に沁みてくる感じでした。そうそう、瑛太さんもカッコよかったし、今回、窪塚さんが上手いなぁって改めて感じました。もっと映画に出て欲しいな。


私は、この映画、不思議で解り難いけど面白いと思いました。不思議ちゃん映画も楽しんで観れる方には、ぜひお奨めしたいと思います。2012年GWで、ユーロスペース他で公開だそうです。お楽しみにね。カメ


東京フィルメックス     http://filmex.net/2011/



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