フィルメックスの2作目は、「グッドバイ」を観ました。
ストーリーは、
主人公はテヘランに住む女性弁護士ヌーラ。ジャーナリストの夫は地方に身を隠しており、彼女の周囲には夫の行方を捜す当局の目が向けられている。妊娠のために弁護士資格を停止され、夫と連絡をとることもできず、ヌーラは海外への出国を決意する。だが、その行く手には様々な困難がたちはだかる......。
というお話です。

この映画、ちょっと、暗くて、難しくて、淡々と話が進んでいく為、ちょっと眠くなります。あまり面白い作品とは言えないですけど、イスラム共和制という体制が、どれほど息苦しく、酷いものなのかを描いています。
政治的な重圧がこれほど強くなければ、普通に暮らしていける人達なのだろうけど、どうしてもその重圧に負けてしまい、心が沈んで、優しさとか余裕とかが、一切なくなってしまうんです。渇いた心になる感じかな。とっても考え方がドライになってしまい、人に対して、キツイんです。もう少し、優しく話し合えないかなぁって何度も思いました。
イランって、訳のわからない規制というか、法律があって、女性は、どう考えても不利なんですよ。酷いです。だって、妊娠したからって、仕事を奪われるとか、資格を奪われるって、ありえないでしょ。信じられませんでした。女性一人では、ホテルにも泊れないし、何をするにも、ご主人は?と聞かれて、観ていて、「なにぃ~!!」と憤りを覚えました。私は、絶対イランには行けませんね。だって、絶対ケンカになるもん。(笑)
主人公がカメを飼っているのですが、何故か、水槽から水が漏れるんです。で、仕方なく、カメを平たいトレイに乗せて、その回りをチラシで囲むんです。どう考えても、それ、逃げるよって思っていたら、やっぱり逃げて行方不明になるのですが、このカメが彼女の気持ちを表現していたのではないかと思いました。水槽の水が無くなれば苦しくて、辛くて、何とかチャンスを掴んで外に逃げ出すということです。カメ、かわいいですよ。
ハッキリ言って、面白いとは言いがたいですが、イランという国が、現在、どういう状態で、人々の精神的な抑圧がどれほど酷いのかを教えてくれます。世界情勢を知る上で、観るのも良いと思いました。
東京フィルメックス http://filmex.net/2011/