今日は、「私だけのハッピー・エンディング」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
恋に仕事に順調な日々を過ごす30歳のキャリアウーマン、マーリー(ケイト・ハドソン)は、ある日突然ガンを宣告される。友人や両親の前ではいつも通りの笑顔で明るく振舞っていたが、刻々と進行していく病状に動揺を隠すことができない。死の予感におびえる中、主治医のジュリアン(ガエル・ガルシア・ベルナル)との出会いが彼女の心を癒やしていく。
というお話です。

泣ける映画との触れ込みだったのですが、これ、泣く映画じゃないでしょ。宣伝、間違えてませんか?だって、死を前にして、落ち込んでから前向きになる映画なんですよ。ハッピー・エンディングって邦題になっているじゃないですか。
確かに、死に恐怖を感じて自縛放棄になるところはありますが、それは、病系映画では必ずあることでしょ。マジで、そういう時って、精神的に不安定になるから、そううつが激しくなるんですよね。だから、これは泣くところじゃないし、友達や両親の思いも、深くて優しいけど、泣くほどは描かれていないし、彼との恋愛についても、涙涙のベタな感じではなく、本当にありがとうって感じで、しあわせに天国へ行くってことだから、泣く場所ってないんですよ。
マーリー=ケイトは、子供の頃から両親と上手く行かず、一人で頑張ってきたため、素直に自分の気持ちを伝えるのが恐いんです。だから、たくさん友達はいるんだけど、本当に信頼し合えているのかということが解っていないし、遊びの男はいても、恋人と呼べる男性はいないんです。
死を前にして、ジュリアンという医師に出会い、真面目な彼の誠実さに触れ、素直になりたいと思いながらも、上手く行かないんですよ。時間は迫ってくるし、彼を愛していると素直に言えないし、もー、どうしようって、すごく迷ったりするんですけど、ま、ハッピー・エンディングなんですね。だから、泣くと言うよりも、良かったねって、しあわせに観れる映画なんです。
しあわせになる彼女、そして、彼女を送る彼らは、未来に向かって一歩踏み出すの。彼女との別れは寂しいけれど、でも、未来は直ぐそこに来ているし、もしかして、もう一度会える時が来るかもしれないねって感じで、ステキな感じでした。
彼女の友達に妊娠している女性がいるの。彼女は、マーリーの癌が判明した頃に妊娠し、彼女が逝ってしまうときに出産するんです。天国に召される者がいて、天国から来る者がいるということでしょ。時は回り、いつの日か、マーリーだって、生まれ変わってくるかもしれないということを暗示しているのかなって思いました。
とてもステキな映画でしたよ。でも、泣く映画だと思って行くと肩透かしを食うと思います。だって、映画は泣いてくれることを望んでいないんですもん。癌によっての死という恐怖を前にして、自分のエンディングをどうするのか、騒いで泣いて、後を濁していくのか、周りに素直になって接して、未来を見ながら気持ちよくエンディングを迎えるのか、という選択だと思うんです。彼女の潔い、ステキなエンディングを、感動しながら、楽しく観てあげてくださいね。
・私だけのハッピー・エンディング@ぴあ映画生活
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