東京国際映画祭、ワールドシネマ部門「ある娼館の記憶」を観ました。
ストーリーは、
20世紀初頭、パリ。閉鎖目前の高級娼館を舞台に、娼婦たちの争い、不安、喜び、痛みを、絵画のような映像と見事なアンサンブルキャストで描く。狭い空間内で展開する群像劇をさばくボネロ監督の演出力が光る。カンヌ国際映画祭コンペ部門正式出品作品。
という内容です。
この映画、19世紀末から20世紀初頭までのパリの娼館の歴史を描いているんです。起承転結のあるストーリーではないので、ちょっと眠くなりました。まぁ、一応、全盛期から閉館するまでのお話ですから、起と結はあるけどね。
娼婦たちは、それぞれに理由があって、娼婦になるのですが、それが必ずしも悲劇ではないということを知りました。イメージとしては、貧乏で、家族を養う為に仕方なく娼婦として働くと思っていたのですが、そうではないんですね。高級娼館ともなると、自分を売り物として、プライドを持っているというか、私は高いのよっていう女性の優越感とか、そういうものを感じました。ただ、身体を売っているんじゃないんですね。
彼女たちは、普段は、屈託無く笑う、普通の女性達なんです。かわいくて、やさしくて、思いやりのある、人生を一緒に歩く仲間たちなんです。夜の娼婦と、昼のキュートな女性、その変化といったら、すごいです。女性の2面性を見事に描いています。
娼館に来る客は、もちろんお金持ちなのですが、それぞれ癖のある、不思議な人間ばかり。女達は、客の言う事を聞き、精一杯のもてなしをするのですが、客の中には、酷いことをする人間も居て、本当にかわいそうでした。それでも、そこで生きていくしかなく、助け合って生きていく彼女たちの姿は、美しくて素晴らしいと思いました。
ストーリーがたいしてあるわけではないので、感想が少ないの。ごめんなさい。映像は、素晴らしく美しくて、観ていて、芸術映画みたいって思いました。この映画、どちらかと言うと、写真美術館とか、そういうところで上映するような感じじゃないかなぁ。
日本で公開されるかは判りませんが、もし、観ることがあったら、楽しんでくださいね。この映画、海外に行った時に、DVDを買ってきて観たら、面白いかもしれません。字幕が無くても、それほど問題が無いと思いますよ。
第24回東京国際映画祭 http://2011.tiff-jp.net/ja/